約 541,617 件
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/453.html
ゆっくりの飾りの話に興味をもったので書きました。 最近、面白い話を聞いた。 ゆっくりは、死んだゆっくりの飾りを身につけると他のゆっくりに殺されるらしい。 何度かゆっくりたちに家や畑を荒らされてた俺は、それを聞いてその話に興味が湧いた。 どうすればゆっくりを苦しませて殺せるか、ずっとそれを模索していたからだ。 あいつらは絶対に自分が間違ったと思わない。 仮に間違ったと言っても、それは中身を伴わない単なる命乞いだ。 こっちの怒りが少しでも収まると分かると、手のひらを返したように、 「せっかくだから、ゆるしてあげるよ!!!」 「ほんとーはれーむとまりさのおうちだけど、そこまでゆーならすんでもいーよ!!!」 と言う。もちろん、そんなことをいった奴らは踏み潰した。あいつらは反省しない、 というより反省するのに必要な記憶力も思考力もない。なら、どうやって自分たちの罪の重さを分からせるか? 答えは簡単だ。苦しませればいい。 死んだゆっくりの飾りを身につけると、他のゆっくりに殺される。自分が仲間だと思ってきた連中にいきなり攻撃され、 ショックを受けるゆっくりたちを想像すると、いてもたってもいられず森の中に入っていった。 森に住むゆっくりの飾りを手に入れるためだ。 森に入って10分ぐらい経つと、目の前にゆっくり霊夢が現れた。 ゆっくり霊夢は赤いリボンを着けている。 俺はそれを見た瞬間、「これだ!」と思った。 帽子と違って、リボンなら結びつければ外れない。 ただし今は殺さない。話によれば、死んだゆっくりの飾りを盗ったものは呪われるらしい。おお、こわいこわい。 だから、リボンが必要になるまでは生かしておこう。 こうして何匹かゆっくり霊夢を捕まえた俺は、籠に詰めるとさっそく家に向かった。 帰る途中で、 「おにーさん、どこにゆっくりたちをつれていくの?」 「ここ狭いよ!ゆっくりできないよ!」 「はやくれーむ達を出してね!」 とか聞こえてきたが全て無視した。 家に着くと、俺はゆっくりたちを木製の箱に詰めた。最初は 「おにーさん、ここ狭いよ!出してよー!ゆっくり出来ないよー!」 と叫んでいたゆっくりたちだったが、詰められた後に餌を与えられるとすぐに懐いてきた。 「むーしゃ♪ むーしゃ♪ しあわせー!」 本当に単純な思考回路を持ってるな。 あとは、畑か家がゆっくりに襲われるのを待つだけだ。 それにしても、復習する為にわざ襲われるとは、本末転倒だな... それから5日が経った。家の近くにある茂みに隠れていると、 「おっ、来た来た。」 何も知らないゆっくりの家族が俺の畑にやってきた。 親霊夢と親魔理沙の2匹に加え、4匹ほどの子ゆっくりたちがいた。 子ゆっくりの内訳は、霊夢が3匹、魔理沙が1匹だった。 俺はこの日のために罠をしかけておいた。 ゆっくりたちに分かるように、畑の一箇所にいくつかクズ野菜の塊を放置していた。 無論、被害が出ないように育てていた野菜は収穫し、家の中も散らかりそうなものは全てしまって鍵をかけておいた。 クズ野菜の塊に気づいたゆっくり達は、さっそく餌にありつく。 しかしその瞬間、ボソッと餌ごとゆっくり達の姿が消える。 落とし穴にかかったのだ。 「かかったな、阿呆めが!」 そう言って、俺は茂みから飛び出し、落とし穴に近づいた。 「重いよー!れーむたちをゆっくり助けてー!」「おかーさん!この野菜臭いよー!汚いよー!」「何があったんだぜ!ゆっくり教えるんだぜー!」 そこで俺はこう言った。 「大丈夫かい?ゆっくり助けてあげるよ!」 「おにーさん、れーむたちを助けてー!」 「いーよ、でもちょっと待っててねー!」 そう言って、俺は家に向かった。家の押入れには俺があらかじめ捕まえたゆっくり霊夢たちが入っていた。 餌は十分に与えていたし、そこそこ大きい箱だったので、殺し合いはしていないようだ。 「明るいよー!おにーさん、ゆっくりしよー!」 「れーむ達の家でゆっくりしていってね!」 「暗かったよー!やっとゆっくりできるね!」 ゆっくり霊夢達が、それぞれ思い思いの感想を口に出しているところを、俺はいきなり握りつぶし始めた。 「痛いよー!ゆっくり出来ないよー!離しtt!!!」 「おにーさん何するのー!ゆっくり出来ないならさっさとdd!!!」 必死に叫ぶ霊夢たちを全て握りつぶすと手を洗い、早速その箱と紐が括り付けられた桶を持って落とし穴に向かった。 続く... Part.2へ このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/2486.html
ゆっくり夢幻 第一夜 こんな夢を見た。 腕組をして枕もとに座っていると、あおむきに寝たゆっくりれいむが、静かな声でゆっくり死ぬよと言う。 れいむは赤いリボンを枕に敷いて、輪郭のやわらかな饅頭顔をその中に横たえている。 真っ白な頬の底に温かい血の色がほどよく差して、口の中は若干赤い。 とうてい死にそうには見えない。しかしれいむは静かな声で、もう死ぬよとはっきり言った。 自分もたしかにこれは死ぬなと思った。 そこで、そうかね、もう死ぬのかね、と上から覗き込むようにして聞いてみた。 死んじゃうよ、と言いながら、れいむはぱっちりと眼を開けた。 勝気なうるおいのある眼で、長いまつげに包まれた中は、ただ一面に真黒であった。 その真黒なひとみの奥に、自分の姿が鮮やかに浮かんでいる。 自分は透きとおるほど深く見えるこの黒眼のつやを眺めて、これでも死ぬのかと思った。 それで、ねんごろに枕のそばへ口を付けて、死ぬんじゃなかろうね、大丈夫だろうね、とまた聞き返した。 するとれいむは黒い眼を偉そうにみはったまま、やっぱり静かな声で、ゆっくりしたけっかがこれだよと云った。 じゃ、私の顔が見えるかいと一心に聞くと、ゆっくりみえているよと、反り返ってみせた。 自分は黙って、顔を枕から離した。腕組をしながら、どうしても死ぬのかなと思った。 しばらくして、れいむがまたこう云った。 「しんだられいむをうめてね! 大きなしんじゅ貝であなをほってね! そしておそらから落ちてくる星のかけらをおはかにおいてね! そしておはかのそばにゆっくりまっていてね! れいむはあいに来るよ!」 自分は、いつ逢いに来るかねと聞いた。 「お日さまがでて、お日さまがしずんで、それからお日さまが出て、またしずんで―― あかい日があっちからこっちへ、あっちからこっちへとおちていくうちに―― おにいさんはゆっくりまてる人?」 自分は黙ってうなずいた。れいむは静かな調子を一段張り上げて、 「ひゃくねん待っていてね!」と思い切った声で言った。 「ひゃくねんおはかでまっていてね! ゆっくりあいにくるよ!」 自分はただ待っていると答えた。 すると、黒いひとみのなかに鮮やかに見えた自分の姿が、ぼうっと崩れて来た。 静かな水が動いて写る影を乱したように、流れ出したと思ったら、れいむの眼がぱちりと閉じた。 長いまつげの間から涙が頬へ垂れた。――もう死んでいた。 自分はそれから庭へ下りて、真珠貝で穴を掘った。真珠貝は大きな滑かな縁の鋭どい貝であった。 土をすくうたびに、貝の裏に月の光が差してきらきらした。湿った土の匂いもした。 穴はしばらくして掘れた。れいむをその中に入れた。 そうして柔らかい土を、上からそっと掛けた。掛けるたびに真珠貝の裏に月の光が差した。 それから星の破片の落ちたのを拾って来て、かろく土の上へ乗せた。星の破片は丸かった。 長い間大空を落ちている間に、角が取れて滑らかになったんだろうと思った。 抱き上げて土の上へ置くうちに、自分の胸と手が少し暖くなった。 自分は苔の上に坐った。 これから百年の間こうして待っているんだなと考えながら、腕組をして、丸い墓石を眺めていた。 そのうちに、れいむの言った通り日が東から出た。大きな赤い日であった。 それがまたれいむの云った通り、やがて西へ落ちた。赤いまんまでのっと落ちて行った。 一つと自分は勘定した。 しばらくするとまた唐紅(からくれない)の天道がのそりと上って来た。 そうして黙って沈んでしまった。二つとまた勘定した。 自分はこういう風に一つ二つと勘定して行くうちに、赤い日をいくつ見たか分らない。 勘定しても、勘定しても、しつくせないほど赤い日が頭の上を通り越して行った。 それでも百年がまだ来ない。 しまいには、苔の生えた丸い石を眺めて、自分はれいむにだまされたのではなかろうかと思い出した。 すると石の下から斜(はす)に自分の方へ向いて青い茎が伸びて来た。 見る間に長くなってちょうど自分の胸のあたりまで来て留まった。 と思うと、すらりと揺らぐ茎のいただきに、心もち首をかたむけていた細長い一輪のつぼみが、ふっくらとはなびらを開いた。 真ん丸な赤ん坊れいむが鼻の先でゆらゆらと揺れた。 そこへはるかの上から、ぽたりと露が落ちたので、れいむは自分の重みでふらふらと動いた。 自分は首を前へ出して冷たい露のしたたる、丸いれいむを齧った。 自分がれいむから顔を離す拍子に思わず、遠い空を見たら、あかつきの星がたった一つ瞬いていた。 「百年はもう来ていたんだな」とこの時始めて気がついた。 第三夜 こんな夢を見た。 赤ん坊まりさをおぶってる。たしかにまりさの子である。 ただ不思議な事にはいつの間にか眼が潰れて、盲饅頭になっている。 まりさが赤ちゃんの眼はいつ潰れたのと聞くと、ずっとむかしだよと答えた。 声は子供の声に相違ないが、言葉つきはまるで大人である。しかも対等だ。 左右は青田である。道は細い。鷺の影が時々闇に差す。 「たんぼへかかったね!!!」と背中で云った。 「ゆっ、どうしてわかるの?」と顔をうしろへ振り向けるようにして聞いたら、 「だってさぎさんが鳴いたよ!!!」と答えた。 すると鷺がはたして二声ほど鳴いた。 まりさは我が子ながら少し怖くなった。こんなものを背負っていては、この先どうなるか分からない。 どこかにゆっくり捨てようと向うを見ると闇の中に大きな森が見えた。 あそこならばと考え出す途端に、背中で、 「ゆゆん」と云う声がした。 「わらわないでね!」 子供は返事をしなかった。ただ 「おとーしゃん、まりちゃはおもい?」と聞いた。 「おもくないよ!」と答えると 「ゆっくりおもくなるよ!!!」と云った。 まりさは黙って森を目じるしにはねて行った。田の中の道が不規則にうねってなかなか思うように出られない。 しばらくすると二またになった。まりさは股の根に立って、ちょっと休んだ。 「いちがゆっくちたっているはずだよ!」と子ゆっくりが云った。 なるほど八寸角の石が腰ほどの高さに立っている。 表には左り日ケ窪、右堀田原とある。 闇だのに赤い字が明らかに見えた。赤い字はいもりの腹のような色であった。 「ゆっくちひだりへいっちぇね!」と子ゆっくりが命令した。 左を見るとさっきの森が闇の影を、高い空からまりさらの頭の上へなげかけていた。 まりさはちょっと躊躇した。 「えんりょちないでね!!!」と子ゆっくりがまた云った。 まりさは仕方なしに森の方へはね出した。 腹の中では、よくめくらのくせに何でも知ってるなと考えながら一筋道を森へ近づいてくると、背中で、「めきゅらはゆっくりふじゆうだね!」と云った。 「だからおんぶしてあげてるでしょおおおお!」 「ゆっ、おんぶありがちょうね! でもばかにしてりゅね! おやにまでばかにされちゃったよ!!!」 何だかいやになった。ゆっくりしないで森へ捨ててしまおうと思って急いだ。 「もうちょっといくとわかりゅよ!――ちょうどこんなよるだったよ!!!」 と背中でひとりごとのように云っている。 「ゆゆっ? なんのこと?」ときわどい声を出して聞いた。 「なんのことって、しってるでちょ!」と子ゆっくりはあざけるように答えた。 すると何だか知ってるような気がし出した。けれどもはっきりとは分からない。 ただこんな晩であったように思える。そうしてもう少し行けば分かるように思える。 分かっては大変だから、分からないうちに早く捨ててしまって、安心しなくってはならないように思える。 まりさはますます足を早めた。 雨はさっきから降っている。路はだんだん暗くなる。ほとんど夢中である。 ただ背中に小さい子まりさがくっついていて、その子ゆっくりがまりさの過去、現在、未来をことごとく照らして、寸分の事実も洩らさない鏡のように光っている。 しかもそれが自分の子である。そうして盲目である。まりさはたまらなくなった。 「ここだよ、ここだよ! ちょうどその杉のねもとだよ!!!」 雨の中で子ゆっくりの声ははっきり聞こえた。まりさは覚えず留まった。 いつしか森の中へ入っていた。一間ばかり先にある黒いものはたしかに子ゆっくりの云う通り杉の木と見えた。 「おとーしゃん! そのすぎの根のところだったね!!!」 「ゆっ、そうだよ!」と思わず答えてしまった。 「ぶんか五年たつどしだったね!!!」 なるほど文化五年辰年らしく思われた。 「おとーしゃんがまりちゃをころちたのは、いまからちょうどひゃくねんまえだね」 まりさはこの言葉を聞くや否や、今から百年前文化五年の辰年のこんな闇の晩に、この杉の根で、一人の子まりさを殺したと云う自覚が、忽然として頭の中に起った。 まりさはひとごろしだったんだねと始めて気がついた途端に、背中の子まりさが急に石地蔵のように重くなった。 第九夜 魔法の森中が何となくざわつき始めた。 今にもスペカバトルが起こりそうに見える。 焼け出された魔理沙が、夜昼となく、屋敷の周りを暴れまわると、それを夜昼となくアリスがひしめきながら追っかけているような心持ちがする。 それでいて森のうちはしんとして静かである。 巣には若い母れいむと子れいむがいる。父まりさはどこかへ行った。 まりさがどこかへ行ったのは、月の出ていない夜中であった。 巣の中でわらじをはいて、黒い頭巾をかぶって、裏口から出て行った。 その時母れいむのくわえていた雪洞(ぼんぼり)の灯が暗い闇に細長く射して、古い檜を照らした。 父まりさはそれきり帰って来なかった。 母れいむは毎日子れいむに「おとーさんは?」と聞いている。子れいむは何とも云わなかった。 しばらくしてから「あっち」と答えるようになった。 母れいむが「いつかえってくるかな!!!」と聞いてもやはり「あっち」と答えて笑っていた。 その時は母れいむも笑った。そうして「ゆっくりかえってくるよ!!!」と云う言葉を何べんとなく繰り返して教えた。 けれども子供は「ゆっくり」だけを覚えたのみである。 時々は「おとーさんはどこ?」と聞かれて「ゆっくち!」と答える事もあった。 夜になって、あたりが静まると、母れいむはリボンを締め直して、小枝を髪の間へ差して、子れいむを背中へ背負って、そっと巣から出て行く。 母れいむはいつでも素足だった。子れいむはこの饅頭の音を聞きながら母の背中で寝てしまう事もあった。 土塀の続いている涸れ川を西へくだって、だらだら坂を降り尽くすと、大きなイチョウがある。 このイチョウを目じるしに右に切れると、一丁ばかり奥に朱塗りの鳥居がある。 片側は田んぼで、片側は熊笹ばかりの中を鳥居まで来て、石段をぴょんぴょん登ると、暗い神社になる。 鳥居まで来て、それを潜り抜けて二十間ばかり敷石伝いに突き当ると、古い拝殿の前に出る。 ねずみ色に洗い出された賽銭箱の上に、大きな鈴の紐がぶら下がって昼間見ると、その鈴のそばに博麗神社と云う額がかかっている。 博の字が、ゆっくりした書体にできているのが面白い。 そのほかにもいろいろの呪符がある。 たいていは巫女の手にした呪符を、倒した妖怪の名前に添えたのが多い。 たまには帽子を納めたのもある。 鳥居をくぐるとたまに巫女が掃き掃除をしている。 石畳に饅頭肌の音がぴちゃぴちゃする。 それが拝殿の前でやむと、母れいむはまず鈴を鳴らしておいて、すぐにしゃがんでジャンプをする。 たいていはこの時フクロウが急に鳴かなくなる。 それから母れいむは一心不乱にまりさの無事を祈る。 母れいむの考えでは、まりさがゆっくりしたまりさであるから、ゆっくりの神の博麗へ、こうやって是非ない願をかけたら、ゆっくりかなうはずだと一途に思いつめている。 子れいむはよくこの鈴の音で眼をさまして、あたりを見ると真暗だものだから、急に背中で泣き出す事がある。 その時母れいむは、ゆっくりしていってねと叫びながら、背を振ってあやそうとする。 するとうまく泣きやむ事もある。 またますますはげしく泣き立てる事もある。 いずれにしても母れいむは容易に立たない。 一通りまりさの身の上を祈ってしまうと、今度はリボンを解いて、背中の子を前へ廻して、口にくわえて拝殿へのぼって行って、 「あかちゃん、ゆっくりまっていてね!!!」と自分の頬を子供の頬へすりつける。 そうしてリボンを長くして、子れいむを縛っておいて、その片端を拝殿の欄干にくくりつける。 それから二十間の敷石を往ったり来たりぴょんぴょんお百度を踏む。 拝殿にくくりつけられた子れいむは、暗闇の中で、リボンのゆるす限り、広縁の上を這)い廻っている。 そういう時は母れいむにとって、はなはだ楽な夜である。 けれども縛った子れいむにゆんゆん泣かれると、母れいむは気が気でない。 お百度の足が非常に早くなる。大変息が切れる。 仕方のない時は、中途で拝殿へ上がって来て、いろいろすりすりしておいて、またお百度を踏み直す事もある。 こういう風に、幾晩となく母れいむが気を揉んで、夜の目も寝ずに心配していた父まりさは、とくの昔にお兄さんのために虐殺されていたのである。 こんな悲しい話を、夢の中で母から聞いた。 (原案、漱石:夢十夜) ===================================================================== YT 過去作品 その他 エレベーターガール そ その他 変身 そ ゆっくりいじめ系27 幻想鉄道の動物対策 虐 機 霊夢×ゆっくり系2 博麗神社の酒造り 虐 料 その他 諸君私はゆっくりが好きだ そ 美鈴×ゆっくり系2 ほんめーりん×ゆっちゅりー甘甘水責め 虐 そ その他 FireYukkuri そ ゆっくりいじめ系187 終端速度 虐 家 無 永琳×ゆっくり系11 八意永琳のアルティメット・サイエンス 虐 そ ゆっくりいじめ系281 冬眠ゆっくりの子守唄 そ 環 性 家 ゆっくりいじめ系312 乙女よ、森はまだ早い 虐 性 無 ゆっくりいじめ系345 ゆっくり塊魂 虐 魔理沙×ゆっくり系4 ゆっくりの身の程 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/383.html
やぁ俺はフランク、ジャーナリストってことはもう知ってるよな。 さて、俺は妙な街に取材に来てしまった。 なんというか、生首饅頭がうごめく街? ほらそこ笑うなって、たしかにポップコーン食べながら見るような感じだけどさ。 キラートマトとか兎男とかあるんだからよ、ちょっとはびびろうぜ? まぁ、ともかく俺はガンショップを出たんだ、すると無線が入ってモニターに何か映ったとかいって引き戻された。 んで確認のために行ったんだが……。 まぁそれは面倒なので後で説明するけどそのあと博士みたいな人を捕まえて怪我してるからってんで薬をとってこようとモール内のスーパーに入ったのさ、そしたら…… 俺はライフルを持ってスーパーの中に入った。 内部はクーラーが聞いていてひんやりとしている。 「むーしゃ、むーしゃ、しあわせ~♪」 食料品の所にゆっくりたちが集まっている。 やつらも人間と同じ物を食うのだろうか。 近寄ってみると袋入りされた菓子だけが食われており、肉や魚などのナマモノには手は付けられていなかった。 (ふぅ、一応食料はあるみたいだな) 俺は安心しているとどこからかべちゃり、という奇妙な音を耳にする。 あたりをきょろきょろ見回していると、生肉が並んでいるところであのれみりゃを見つけた。 「うー♪ おにくいりゃない! ぽいするの♪」 見れば、生肉の入ったトレイを開けて中身を取り出し地面に捨てている。 慌てて俺は走り出しライフルを構える。 「うー?」 音に気づいたのか俺の方向を見た瞬間、俺は引き金を引いた。 渇いた銃声がモール内に響く。 「あ゛ぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!い゛だい゛よ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛」 ちょうど良い具合に肉を持っていた手が吹き飛び、地面に自分の体の肉をばら撒く。 その音に気づき、ゆっくり達が一斉に俺を見た。 「ゆ! あのおじさんはゆっくりできないよ!」 「ゆっくりしね!」 ゆっくり達が群がってくる。 「う゛ー♪ ぶぁーが! ゆっぐりだぢな゛ら゛お゛ばえなんがやっづげじゃうんだどぉー♪」 俺はれみりゃを見て愕然とした。 こいつ、再生するのか。 ちぎれた腕はそのままに、新しい腕がれみりゃの腕に付いている。 「くそっ」 銃を構えた瞬間、三匹同時タックルをくらい、俺はこけた。 銃も取り落としてしまう。 周りに武器がないかと手探りで探していたら、長い棒のようなもの触った感覚があった。 引っ張ってみてみると、それは。 「フランスパン!?」 焼き立てではなくカチカチに固まっているフランスパンだった。 たしかに固いがゆっくり達に効果はあるのだろうか。 「せいっ」 再びタックルしようとしてきたゆっくり達をフランスパンでなぎ払う。 「ぶぇっ!」 「ゆ゛」 吹っ飛ばされたゆっくりは地面に叩きつけられ破裂して死んだ。 なるほど、パンでも威力はあるようだ。 「せぇやっ!」 思い切り叩きつけたりなぎ払ったり。 ゆっくり達はなす術もなくつぶされて行く。 残ったのは金髪のゆっくりと黒髪のゆっくりだった。 「ごべんだざい゛! れ゛い゛む゛がお゛ぞお゛う゛っでい゛っだん゛でず!」 「ゆっ!?」 金髪ゆっくりが何か言うと、黒髪ゆっくりが驚いたような顔をした。 「わるいれいむはしんでね!」 「ゆっ、れいむわるいことしてないよ! さいしょにいったのまりさだよ!」 れいむ? なるほど、黒髪の方はれいむというのか。 んで、この金髪のほうはまりさまりさって呼ばれてるからゆっくりまりさ。 とりあえず奇妙な二匹を写真に収めた。(エクセレン!) 「おじさん! ゆっくりれいむをいじめていいからまりさは見逃してね!」 「びどい゛よ゛ま゛り゛ざあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛! どうじでごんだごどずるどお゛!?」 れいむが泣き叫んでいる。 うるさいので黙らせようと俺はれいむに手を伸ばした。 ちらりとまりさのほうをみると、唇を吊り上げて人を馬鹿にしたような顔をした。 ちょっとむかついたのと、こいつを食べた事が無かったので俺はれいむからまりさを掴む。 「ゆっ!? ちがうよおじさん! いじめていいのはれいむだよ!」 なんか言ってるがわからん。 とりあえず口の中に手を突っ込んでみる。 「おごあがががあががががががが!」 やわらかい感覚が腕に絡み付いていてちょっと気持ち悪い。 中身を引っ張ってみると、中から黒いどろっとしたものが出てきた。 確かこれを舐めると甘かったんだよな。 手に持っていたフランスパンにそれを塗って食べてみる。 「yeah!」 結構イケル、売ったら繁盛するかも。 うまかったのでついまりさを落としてしまった。 「ゆべっ」 「あ、しまった」 慌てて拾おうとしたとき。 カラカラカラカラカラ……。 なんの音だ? カラカラカラカラカラ……。 ショッピングカート? 「いらっしゃいませー!!」 「うおわっ!」 耳元で叫ばれ、俺はしりもちをつく。 立ち上がって相手を見る、それはこの店のロゴが入ったエプロンをつけた小太りの男だった。 「あの……あなたは?」 「俺はここの店長だ! そしてここは……!」 男がショッピングカートに手をかける。 一瞬だけ確認できたが、カートの先端にナイフとフォーク、そしてバーナーが備えられていた。 「ここは俺の店だぁー!!」 俺は命の危険を感じて逃げた。 あ、しまった。 ゆっくりまりさの事忘れてた。 「ゆ゛ぎあぢぃぎぃだぐえっ!」 言葉にもなってない悲鳴が聞こえた。 恐らくカートに踏み潰されたのだろう。 俺は銃を取りに戻り、カートをターンさせて突っ込む男に向けて放った。 肩と胸に命中したが、ひるむ様子も無く突っ込む。 「ゆ゛っぐり゛ぃ゛!」 「ぢんぼおおおおおおおおおっ!」 巻き添えになりフォークに突き刺さっていたり、バーナーで焼かれ黒焦げになるゆっくり。 「うー♪ うー♪」 後ろでれみりゃが踊っていた。 俺はとっさにそいつを抱きかかえる。 「うー、だっこー♪」 れみりゃは何を勘違いしているのか腕の中ではしゃぎだす。 俺はそのままカートに突っ込んだ。 「い゛だい゛よお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!ざぐやあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」 いくら凶器をつけたカートでも刺さらなければ意味がない。 俺はれみりゃをクッションにしてわざと突き刺したのだ。 「うおっ」 一瞬慌てた様子の男に向かって俺はライフルを放つ。 ちょうど心臓辺りを貫いた。 カートから離れると、肉汁まみれのゆっくりゃがカートの凶器に顔面から刺さったまま痙攣していた。 「ごべんだざい! ぼうじまぜんのでゆるじで!」 相変わらず意味不明だ。 俺はそいつを放り投げて頭を打ちぬいた。 「ぎぇ゛っ!」 あっけない悲鳴と共に、れみりゃは死んだ。 そんなことより、と俺は男に近づく。 男は必死にレジへ向かった。 男は店長だったらしい、最後まで客の心配をしていた。 そして…… 「6番レジへどうぞ!」 と言い残し、息絶えた。 ■■■ とりあえず薬を渡し、生存者を探してモールに向かう。 今度は玩具屋が立ち並ぶところだった。 「武器でも集めるか……」 さすがに、ライフルだけでは先程のように落としかねないので違う武器を探す。 その途中、本屋を見かけたので入ってみた。 漁るのは動物図鑑などだ。 「ない、ない……ない、か」 見当たらない。 やはり新種か。 荒らしていると、『Japanese Conversation』と書かれた本を見つける。 翻訳本らしいので、やつらの言葉がわかるかもしれない。 その時、ばさっと本が落ちた。 何かいるのかと、とっさに銃を構える。 「むきゅー」 どこからか変な声がする。 落ちた本を恐る恐るめくってみる。 すると、そこには紫色をしたゆっくり達より一回り小さいタイプのがいた。 俺はさっき拾った翻訳本をめくって、試してみる。 「アナタノ、ナマエハ、ナンデスカ?」 片言なのはしょうがないが、この際笑われてもいいのでこいつらのことを少しでも知りたかった。 「わたしはゆっくりぱちゅりーよ よろしくね」 何を言ってるのか分からないので翻訳本を見せる。 手が無いので舌と体をつかって一生懸命ページをめくる。 「『I am P.A.C.H.U.R.Y』……パチュリー?」 俺が尋ねるとこくこくと頷いた。 どうやらこのぱちゅりーとやらは知能が幼児より少し上らしい。 先程見たれいむやまりさ、れみりゃなどは子供レベルだったが、ぱちゅりーの場合は一味違う感じがした。 たのしくなったので、俺はもっと聞いてみる。 「アナタ、ドコカラ、キタンデスカ? ……I don't know。知らないか……」 ちょっとがっかりする。 じゃあ最後に、と俺は本を開く。 「ユックリシテイッテネ、ッテ?」 それにはピンと来たのか急いでぱちゅりーが本を開く。 そして必死にそこを舌で示していた。 「take it easy? ゆっくりしていってね?」 なるほど、あいつらはずっとゆっくりしていけと言ったのか。 何の為だかは知らないけど。 「モウイクネ? バイバイ」 片言で言うと、ぱちゅりーは相槌を打った。 あの程度の思考なら、まだ手に負えるかもしれない。 それに何かと役に立つ。 上を見ると、ジェットコースターが動いていた。 ……ん?動いている? 俺は二階に上がる。 するとそこには一人のピエロがいた。 「ウヒヒヒヒヒ! ようこそ!」 ピエロが笑みを浮かべた。 ちょっと怖い。 「おい、どうしてコースターは動いたままなんだ?」 「見てよ! 子供達がゆっくりたちに殺されちゃったんだ!」 話がかみ合わないが、相手に合わせる。 「殺された?」 「皆で遊んでただけなのに、いきなりやってきて子供を集団で踏み潰しちゃったんだよ……」 コースターを見ると、切り刻まれたゆっくりが恐怖の表情で乗っていた。 俺がコースターの方へ向かうと、ピエロが笑いながらやってくる。 「コースターを止めちゃダメだよ! ゆっくりたちが来ちゃうからね!」 するとピエロがチェーンソーでジャグリングを始めた。 それを見ていたゆっくりたちが興味を示して集まってくる。 「ウヒヒヒイヒヒヒヒヒ!!」 結局戦うのか……。 「ウヒィ!」 ピエロが小型チェーンソーを二刀流で振り回す。 振り回すたびにゆっくり達が切り刻まれた。 「な゛ん゛でごん゛びゅぇ゛!」 「が……ぺ、ぺぺぺっ」 俺はライフルで応戦しようとする。 が、ガチンいって弾は発射されない。 「弾切れ!?」 「うひょひょひょ!」 目の前にピエロが現れ、チェーンソーを振り上げる。 俺はとっさにゆっくりまりさを捕まえて盾にした。 「ゆっぐぢい゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!! い゛だい゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!」 目と口の真ん中を真っ二つにされる。 だが、チェーンソーのリーチを侮っていたため、俺も手のひらを切ってしまった。 応戦する手立てがないので俺は逃げた。 その時、骨董品店が目に付く。 その中に中世の斧やら侍のつかう日本刀が置かれていた。 中に入って斧を取り出し、再びピエロのところへ戻る。 「おりゃああっ!」 重いため、大ぶりになる。 ピエロはさっと避けた。 だが、その後ろにいたゆっくりれいむは逃げられなかった。 「い゛ぎぇ! が、ばっ……!」 目玉を飛び出し、口を大きく開けて絶望の表情を浮かべるゆっくり。 俺はそれを気にすることなく引き抜く。 「ひょあー!」 飛び掛ってきたピエロに対し、俺はゼンガーよろしく横ぶりで叫ぶ。 「チェエエエエエエエストオオオオオオオオオオオッ!!」 ピエロのわき腹をえぐり、ピエロは地面に落ちた。 しかもその先にはチェーンソー。 「い゛ぎぇへへへへへ!」 最後まで笑いながら、ピエロは死んだ。 俺はとりあえずコースターを止める。 すると、席に乗っていたゆっくりれいむが跳ねて俺のところにやってきた。 「おじさんどうしてはやくたすけてくれないの! ゆっくりしね!」 そう言ってタックルしてくる。 意味はわからなかったが、タックルで敵意があることがわかった。 せっかく助けたのになんてやつだ。 俺はゆっくりを持ってピエロの服を破って紐を作り、縛ってコースターの線路に置く。 「ゆ!? おじさんこれじゃゆっくりできないよ!?」 構わず俺はコースターのスイッチを押した。 ごとんごとんと音を立ててゆっくり加速を始めるコースター 。 「ゆ゛っぐり゛でぎな゛い゛! ばやぐだづげでね゛!」 しかし、俺がコースターを止める暇も無くゆっくりれいむは轢かれた。 「ゆ゛っぐげおげげげえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛」 さらに車輪に引っかかったのか、ゆっくりれいむの体を引きちぎりながらコースターは進んで行く。 液体が俺の肌に飛び散ったので舐めて軽い栄養補給も欠かさない。 「おーい、助けてくれぇ」 コースターにも人がいたらしく、俺はコースターを止めた。 生存者は引きちぎれたゆっくりれいむを踏み潰して俺のところへ来た。 そうじゃないと上がれなかったんだもの。 「ありがとう」 「いや、とりあえず警護室へ……」 ■■■ 生存者を助けた後、俺は日用品店へ向かう。 スポーツ用品から家庭品までそろっているところだ。 しかし、入ってみるとそこは酷いありさまだった。 天上にはゆっくりたちの死骸が吊るされており、皆恐怖の表情を浮かべていた。 「貴様! 階級と所属を名乗れ!」 後ろから何かを突きつけられる。 俺はジャーナリストなので階級も糞もない。 「答えられなければベトコンだぁ!」 危険を察知して俺は避ける。 何度もこう避けられるとは俺も運がいい。 見れば、老人が赤いスカーフをつけてハチェット(鉈、マチェット)を持っている。 (戦争体験者か) 俺はまず走ってくる老人をかいくぐり、上に吊るされたゆっくりの死骸を撮る。(エクセレン!) 写真を撮り闘いに戻ろうとしたとき、老人の姿は無かった。 「どこへいったんだ……?」 迂闊に歩けば危険なので、壁際にあとすざる。 その時、背後から鉄がきしむ音がした。 「はっ!」 気づいたときには遅く、俺の足に激痛がはしる。 どうやら男は下から襲ってくるらしい。 ならば……と俺は店をでてゆっくりたちに声をかける。 「ユックリシテイッテネ」 片言で言うと、それでも反応してくれた。 「ゆっくりしていってね!」 そして俺は手招きをしてゆっくりを呼び寄せる。 だが、日用品店の天上にいるゆっくりを見てびびってしまった。 「おじさんとはゆっくりできないよ!」 「トモダチ、ユックリ、ツカマッタ、オレハ、ナカマダ」 正直日本語ってきつい。 日本語がぺらぺら喋れる奴等がうらやましい。 ゆっくりは自分達の仲間が捕まっている事を知り、聞き入る。 どうやら罠にはまってくれたみたいだ。 「ワルイヒトヲ、タオスニハ、アソコノウエデ、jumpシテ」 ジャンプの部分だけアメリカなまりになってしまったがしょうがない。 それでもゆっくりたちはうなづき、鉄の扉の上でジャンプした。 「わるいひとをやっつけるよ!」 「やっつけるよ!」 がんがんと老人が通っていた扉を叩く。 これで老人は俺がどこにいるか分からないだろう。 扉が開く。 「ゆぶぢゃ!」 扉の上にいたゆっくりがつぶされる。 俺はその瞬間をつかい、老人を引き抜いた。 「おらっ、おらっ、オラァッ!」 パンチを三発食らわせると、老人は倒れてしまった。 気絶しているみたいなのでそっとしておく。 「ゆっくりしね! ゆっくりしね!」 その老人に向かってゆっくりが体当たりをしていた。 俺は近くにあった芝刈り機をつかう。 そしてそのままゆっくりを轢いた。 「ぎゃぎゅぎゅぎゅぎゅゆ゛っぐり゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!!」 芝刈り機が通り抜けると、綺麗にゆっくりが四等分される。 だが、これではあまりおもしろくない。 俺はなにかないか探してみた。 そして……俺は面白いものを見つけた。 「うっうー♪ うぁうぁ♪」 ひょこひょこと呑気に踊っているれみりゃ。 俺はそこに秘密兵器で突っ込む。 ギュルルルルルル! 機械音にれみりゃは驚いてこっちをみた。 が、すぐにドリルの餌食になる。 「う゛ぐぇぎゅがあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 ドリルはれみりゃの顔をちょうどいい具合に突き刺さる。 れみりゃは頭をぶち抜かれ即死して動かなくなったが、ドリルは動き続けているためぐるぐるとれみりゃの死体がまわる。 それをもったまま俺はゆっくりたちに突っ込む。 「うわあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!! ごわい゛よお゛お゛お゛お゛お゛お゛」 ゆっくり達は悲鳴を上げる。 だが俺はつっこむ。 れみりゃの死体の足に弾かれ、饅頭共は壁にぶつかり破裂する。 「どおじでごんだごどずべっ!」 「わ゛がら゛い゛よ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛」 どいつもこいつも皆吹っ飛んで破裂する。 俺は愉快でしょうがなかった。 しかし自然とおなかが減ってくる。 俺はフードショップへ行くことにした。 そして、そこでゆっくりを一匹捕まえる。 「ゆ? おじさんなにするの?」 間抜けな顔で俺を見ている。 そいつをミキサーへ入れた。 通常サイズより一回り小さかったからか意外とすんなり入った。 「おじさん! ここせまいよ! ゆっくりはやくだしてね!」 そして俺はその中にオレンジジュースを加える。 「ゆ! あまあま!」 さっきまで文句を垂れていたのにオレンジジュースを入れると上機嫌になるのか。 俺は蓋を閉めてミキサーのスイッチを入れる。 「い゛だい゛よ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!! ごごがら゛だじでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!」 ぐるぐる回転しながらも悲鳴が聞こえる。 1分くらいすると、何も聞こえなくなった。 そしてミキサーの中身をコップに移して飲んでみる。 「oh...♪」 なんともいえぬ味に俺は声を漏らす。 ゆっくりがオレンジを吸収したのか、オレンジの味はしなかったが、かわりに食べたときとはまたちがうほんのりとした甘さが舌に広がる。 「やっぱりこいつらうまいな」 俺がゆっくりジュースを飲み干し、店を出たときだった。 「ゆっかりしていってね!」 また、新種か 俺はこいつをカメラに収めた(ファーンタスティック!) あとがき ミキサーの話もでてたので。 次回はゆっかりんとまだ出てきてないのが来ます。 ストーリーをなぞりたいですがover timeまでやっちゃうとえらい面倒なので途中で切り上げることもありえます。 爆発エンドとかな。 エロも書いてるから両立きかねーよ、エロ書いてるのに虐待になりそうだぜ 過去に 霊夢の怒らせ方 ゆっくりデッドライジング を書いております ゆっくりデッドライジング3へ
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/741.html
ゆっくりとりひきしていってね!2 1はfuku1985.txt 翌日、れいむたちが起きたのは正午。 満腹だったから熟睡できたのだろう。 しかし、起きてすぐにれいむは思い出した。 「ゆ・・・たべものどうしよう・・・」 そう。 自分達の何かを代償に、食べ物が得られる仕組み。 れいむは素直というか物分りがいいというか。 このシステムに反対はしなかった。 無論、まりさも。昨日までは。 「ゅ・・・おなかすいたよ!」 まりさもやっと眠気から覚めたようだ。 無論、まりさの餡子脳では昨日のシステムを覚えているはずも無い。 「まりさ、たべものどうしよう・・・れいむたちのからだをおにいさんにあげなきゃいけないんだよ」 「ゆ?・・・ゆゆ」 まりさもやっと思い出した。 しかし、基本自己中心であるまりさ。 そんなこと言われれば言うことは唯一つ。 「まりさはいたいのはいやだよ!!れいむがやってね!!!」 「ゆ!!?れいむだっていだいのい”や”だよおおおおおおお!!!」 まあ自己中心でなくとも痛いのが好きだどというマゾヒストはそういないだろう。 こうやって口論になるのは当然といってもいいことだ。 しかし、ゆっくりの中で頭の良さはまりさが上なのだ。 まりさはれいむをゆっくり口説いていく。 「・・・ゆ!ならきょうはれいむがやってよ!あしたはまりさがするよ!それでいいでしょ?」 「ゆ・・・」 まりさの提案。 日代わりで交代して食料を貰う。 確かにそうすれば多少痛くてもゆっくりできる。 れいむはまりさがうそつきということを知らない、あっさりと信用してしまった。 「ゆ・・・ゆ!わかったよ!きょうはれいむがやるからまりさはあしたゆっくりよろしくね!!」 「わかったよ!きょうはれいむおねがいね!!」 まりさがこの時おおこわいこわいの顔をしていることはれいむは気づかない。 頬を千切られる恐怖でいっぱいだった。 結局昼は抜いた。 寝起きはあまり食べる気はしないのはゆっくりも同じだった。 夜 呼び鈴を押すと少年が舞い降りた。 それはもう満面の笑みで。 「食料が欲しいのか、そうかそうか。なら何がいい? 生ゴミか?くず野菜か?果物?3日分の・・・は無理だな。 1週間外出するか?楽しいぞ?」 れいむは察した。 おにいさんはたのしんでいる。 れいむたちをいじめること。 れいむたちのあかちゃんをころすことをたのしんでいる。 しかし、ここから出れない以上、逆らえない。 逆らえば食料を貰えず、そのまま餓死。 少しでも生き延びたいならここは押さえるべきなのである。 「ゅ・・・おにいさん!この『なまごみ』ってかいてるのをちょうだい!」 「生ゴミでいいのか・・・?まあいいさ、ご希望には全力でお答えするのが俺のルール。」 そう言うと少年はれいむを持ち上げた。 まりさにはそれがれいむだけを逃がそうとしているようにしか見えない。 「ゆゆ!!ずるいよ!!れいむだけおそとにだそうとしないでね!!」 「違うさ。すぐに戻る。すぐにな。さて・・・」 少年はれいむのほうを見る。 れいむは既に恐怖で震え怯えている。 「ゆ・・・ゆっくりしてね」 「ほお、いいのか・・・ゆっくりで。それじゃはじめるぞ」 少年はれいむの右頬をつまむ。 そして少しずつ、れいむの言われたとおりにゆっくりとねじる。 少しずつ、ブチブチと、亀裂が走る。 「ゆ”ゆ”ゆ”ゆ”ゆ”!!!!いだだだい”いだいだいだいだい!!!!!」 「ならやめるか?その場合食料はなしだ。」 「れいむ!はやくしてね!たべものがでなかったらゆるさないよ!!!」 「どおじでそんなごどいう”のおおおおおおおおおお!!!!!???」 まりさから罵言を受けるれいむ。 そのときの少年はにやけていた。 「いたいのか。じゃあやめてやる」 少年は手を離しれいむをケースに戻そうとする。 「や”り”ま”す”う”う”う”う”う”!!!た”か”ら”や”め”な”い”て”ぇええええ!!!!!」 「どっちだよ、仕方ない」 少年は再びゆっくりとねじる。 「は”や”く”し”でぇええええ!!!い”た”い”の”おお”お”お”お”!!!」 「なら見せてやる、これが俺の全力全開!」 「ふんっ」と気合を入れて少年は千切る。 その千切りはまさに神速。 ありのままに説明すると気合を入れたと思ったら既に千切れていた。 何を言っているのか分からないとは思うがナレーションを勤める私にさえ分からない。 ただいえることはこの少年には何か秘められた力がある。 今はそれが少し垣間見えただけである。 しかしそれが開花するのもそう遠くないだろう。 それはおいておいて、ちぎられたれいむはというと、 「・・・!!!???いあだあだあだああああいあいいい!!!!!!」 頬に電流走る―――― ではなく頬に激痛が走っていた。 あまりの痛さに最初は気がつかないほどだ。 しかし、それよりも驚くのはまりさだ。 れいむが傷ついているのもなんのその。 「おにいさん!はやくたべものをちょうだい!!」 「まりさ”あ”あ”あ”あ”あ”・・・・!!!!」 「勿論だ。ほれ、生ゴミだ。」 少年は袋を持ってきて1食分の生ゴミを放り入れる。 まりさの帽子に見事ヒットし、まりさの帽子から「ベチャッ」と音がした。 「ま”り”さ”の”ほ”う”し”か”あ”あ”あ”あ”あ”!!!!」 「昼食、一人分だけだ。残してもいいが生ゴミに関してそれは推奨しない」 れいむを放り投げそうだけ伝えると少年は姿を消した。 「まりさ!ひどいよ!!れいむよりたべものなの!?そんなまりさとはゆっくりできないよ!!」 れいむは頬を膨らまし威嚇する。 それを見たまりさは必死に弁明した。 「ごかいだよれいむ!おなかがすいてればひっしになるのはとうぜんだよ!ゆるして!!」 それを聞いたれいむはまたもあっさり認める。 「ゅ・・・。わかったよ!あしたはまりさがやってね!!」 「わかったよ!まずはごはんをたべようね!」 まりさは我先にと生ゴミをかぶりついた。 「ゆゆゆ!!ずるいよ!れいむのぶんものこし・・・て?」 まりさの顔が青く、苦虫を噛んだような表情に変わってゆく。 B級ホラー映画になら出演できるような顔になっていた。 「ぶぅっぇええぇえええ!!!!まずいよ!くさいよ!こんなのたべものじゃないよおおおお!!!!!」 ベッとまりさは生ゴミを吐き出した。それは確かに臭くて食べられなそうだった。 それを嗅いだれいむは怒った。 「ゆ!!きっとおにいさんがまちがってだしたんだよ!もういちどおにいさんをよぶよ!!!」 れいむは呼び鈴に何度も体当たりする。 少しして少年がやってきた。 今回は舞い降りず、走ってきた。鬼の形相で。 「うるせぇよ!呼び鈴は一度押すだけでいいんだよ!!今度何回も押したら焼き土下座させるぞゴルァアアアアアァァァ!!!」 「「ごめんなああっさああああぁあぁぁぁああいい!!!!!」」 それはまさしく鬼。後半言ってることは分からなかったがとにかく次からは1回だけにしよう。 無論、よいこのみんなもピンポンダッシュはだめだぞ? 「で、何か?」 「ゆ・・・!おにいさん!!これはたべられないよ!!まちがえたんでしょ!?はやく『なまごみ』をもってきてね!!」 「は?」 「だから『なまg「それが生ゴミだ。」 れいむは意味が分からず、言葉を失う。 次はまりさのターン! 「おにいさん!これくさくてまずいよ!ほかのたべものをもってきてね!!」 「何言ってるんだ、それを得る為にれいむの頬を一回千切ったんだぞ。その分がそれ。 それにそれはまずくて臭かろうが栄養は保障する。但し3食分くらいで初めて1日分の栄養が補えるんだけどな 何を言われようが一回じゃあそれだけだ。じゃあな」 「ゅ・・・ゆぅうう・・・」 まりさは落胆した。まさかこんなものが出るとは思いもしなかった。 しかし、れいむは違った。 「・・・むーsy・・・んぎゅう!!んぶぶ・・・・・・-しゃ・・・むーしゃ・・・しあわせー・・・」 「!!?」 まりさは心底驚いた。 れいむがそのまずくて臭いものを食べたのだから。 「れいむ!なにかんがえてるの!?ばかなの!?なんでそんなくさくてまずいものたべるの!?」 「これをたべればいきれるよ!!これをたべないまりさはしぬんだよ!!かわいそうだね!!れいむはいきれる!ゆっくりできるよ!!」 「いや”あ”あ”あ”あ”あ”!!!ゆ”っく”い”した”い”い”い”い”い”い”!!!」 しかしもうまりさの分は無い。れいむが全てたべ終えたのだ。 れいむは口の中が不満だが、空腹は満ちたし段々と元気になってきた。 生ゴミでも一応、栄養は補えるのだ。くず野菜と比べれば微々たる物だが、最低でも死ぬことは無い。 「まずかったけど・・・きょうはゆっくりねむれるよ!!」 まりさは暫く泣いていたが、れいむはすぐに眠りに着いた。 2日目は終わった。 しかしこの時点でまだ2匹に変わった様子は無い。 ゆっくりとりひきしていってね!2 終 _________________________ あとがき 虐待要素はあまりないよなぁ・・・ 頬を千切るとかしかない。 子供を渡すのは精神的虐待だし。 自分自身もう少し少年に虐待させたい と少し後悔してますw 代表作 ゆっくり大福 ゆっくりとりひき 2~以下続 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/3408.html
仲の良さそうなゆっくり一家がいたので虐待することにした。 れいむ×まりさ&子れいむ2の子まりさ2。 「やあ。ご飯あげるから虐待させてね。」 「いいよ。」 「ゆっくりりかいしたよ。ごはんちょうだいね。」 なんと、許可が出た。 さっそく家に持ち帰った。 「ここが俺の家だよ。じゃあ虐待するね。」 「そのまえにごはんちょうだいね。」 「ちょうだいね。」 俺は野菜クズを撒いた。 「んじゃ、虐待するよ。まずはれいむからね。」 とりあえず足でも焼いてみようと思ったら、なんか抵抗された。 「やめてね。れいむにひどいことをしないでね。」 「あ?テメー虐待していいって言ったじゃねえかよ。バカなの?死ぬの?」 問答無用でコンロにかざす。 周りでギャーギャー他のゆっくりがウザかったけど無視。 すぐにこんがりと焼けた。 「ゆぎゃー。れいむのあしがー。」 「あははー。んじゃ次はまりさを焼くよー。」 「やめてね。まりさはなにもわるいことしてないからぎゃくたいしないでね。」 かまわず焼いた。 焼き饅頭が2匹目になった。 「ゆがあああ。どぼじでごんなごどするのおおお。」 「はいはいゆっくりゆっくり。」 子ゆっくり計4匹も焼いた。 「ゆぴー。」「ゆぴー。」「ゆぴー。」「ゆぴー。」 床でさっきまで幸せそうだった家族が「ゆぐゆぐ」とか言いながら泣いていた。 「おにいさんひどいよ。れいむたちははたけをあらしてないのに。」 「そうだよ。にんげんさんにひどいこともいわなかったよ。」 この家族は害獣とは無縁のゆっくりだったらしい。 でも俺には関係ない。 「だからなんだよ。俺は最初、虐待するって言ったんだよ。」 「ぎゃくたいはわるいゆっくりにするものだよ。」 「そうだよ。はたけをあらすわるいゆっくりにするものだよ。」 「はぁ?何それ。」 「あとにんげんさんのおうちをぬすむわるいゆっくりにもだよ。」 「にんげんさんにわるぐちをいうゆっくりもぎゃくたいされるんだよ。」 なんかいろいろ言ってた。 ようするに、こいつらは群れのゆっくりが害獣狩りされているのを見ていたみたいだ。 ボランティアの中に「ヒャッハー虐待だあー」などと言っていた人を見て勘違いしたらしい。 「ゆるせないよ。なにもわるいことしてないれいむたちをぎゃくたいするなんて。」 「まりさのストレスがマッハだよ。」 ぷんぷん言いながら膨れてる。 「それは制裁というものだ。」 「せいさいってなに?」 「ゆっくりできるものなの?」 「簡単に言うと仕返しだ。ゆっくりできないものだよ。俺は虐待するっていったの。分かる?」 「ゆ?」 「りかいできないよ。」 「お前らが虐待だって思っていたものは、制裁なの。んで、俺がやるっていったのは虐待。」 「?」 「?」 「虐待はね、良い悪い関係なしで酷いことをするんだよ。」 「それはゆっくりできないよ。おにいさんはひどいひとだよ。」 「そんなのだめだよ。そんなことするおにいさんにストレスがマッハだよ。」 「虐待する人なんて最低の人種だよ。悪い人だよ。そんなことも知らないの?バカなの?」 「ゆ・・・。」 「ゆぅ。」 「残念だけど、俺は悪いゆっくりをやっつける正義の味方じゃないんだよ。分かる?」 「だめだよ。ゆっくりできないことだよ。」 「おねがいだからやめてね。」 「虐待って分かっているのに、制裁だと勘違いした君たちが悪いよね。勝手に制裁だと思って、やられたのが虐待だからって文句言わないでね。」 「こんなんじゃゆっくりできないよ。」 「まりさもだよ。」 「ああそう。残念だね。次からはゆっくり理解してね。」 一家はたっぷり虐待されたあと、森に返された。
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1422.html
ゆっくりって蝶を食べてるんですね。だから幻視したかも。 蝶を追いかけ回してた仲の良い複数のゆっくりが太陽の畑に迷い込む。 蝶々花々、見渡す限りのご馳走に思わずどっきり。 「新しいゆっくりポイント発見だね!!」 思わぬ収穫に仲間達と向かい合って皆でにっこり。 向日葵に蝶が止まった所を狙い定めてダイビング捕食。向日葵は重さに耐えれずにぽっきり。 「おいしいね!!」「もっといっぱい食べようね!!」「ゆっくり食べようね!!」 折れた花に群がるゆっくり達。皆が満足するだけの花を折って食べ、跳ねて蝶を食べお腹がぽっこり。 広大な向日葵畑。花のと葉の砦は自分達の隠れ家にはうってつけだと考え、皆でにっこり。 畑の中に移動し食後の運動を兼ねて隠れ家作り。心行くまでゆっくりできるスペースを確保するため円形に向日葵をばっさり。 沢山の食料が見つかり満足。太陽もポカポカで気持ちがよくゆっくり達は自然とまったり。 満腹で暖かな日差しに包まれて、皆で輪になりぐっすり。 良い場所を見つけて幸せを感じ、皆の寝顔はにっこり。 「…ゆ゛っぐり゛ぃ!!??」 体に何か入ってきたような感覚に襲われた紅白のゆっくりの突然の悲鳴にみんなびっくり。 「どうしたの!!」「びっくりさせないでね!!」「しっかりしてね!!」 苦しむ紅白の周りに心配になったほかのゆっくり達が見守るように囲んでひっそり。 パチン。ゆっくり達の後方で何かを弾く音がしたと同時に周りを格子状のつたに囲まれてどっきり。 「むきゅー!!」「これじゃゆっくりできないよ!!」「ゆっくりどかすよ!!」 3匹のゆっくりがポヨンポヨンと勢いをつけてつたに体当たりしたらざっくり。 「ゆ゛っぐりぃぃぃ!!」「いだい!!いだいよぉぉ!!」「むぎゅーぅ!!」 つたを除けようとしたゆっくりの悲鳴。よく見るとつたには鋸の様に細かい無数の刃がびっしり。 2匹は全身に無数の裂傷を負って地面にばったり。1匹がつたに絡まり絶命してぽっくり。 「もっどゆっぐりじだがっだよぉぉぉ!!」皆が叫ぶも返事はさっぱり。 理不尽だよ、ゆっくり皆でのんびりしていたのに。程なくして最初に悲鳴をあげたゆっくりがむっくり。 「痛かったけど大丈夫!!」「良かった!!」「元気になったね!!」 しかし1匹は絶命し2匹は瀕死、仲間を助けたくてここから出る方法を皆で考えても思いつかなくてがっくり。 「…あらあら。今日はお客さんがいっぱいね。」 突然、ゆっくり達の後ろから女性の声。振り返ると緑の髪をした綺麗なお姉さんが日傘をさしてにっこり。 救いの手が来たと歓喜。ピョンピョンと飛びはねながらお姉さんに助けを求めるゆっくり。 「おねえさん!ココからだして!!」「友達が危ないの!!」「わかるよー!!このままじゃ死んじゃうよ!!」 お姉さんはつたの檻の中で突っ伏す2匹と、つたに絡まって中身をむき出しにし絶命した1匹を見てにっこり。 「あらあら…。お友達が2人も死んじゃって可愛そう。」と言ってにっこり。 2人?聞き間違ったのかなと皆で首をこっくり。しかしそんな疑問よりも仲間が苦しんでいるのににっこりしているお姉さんに憤りを見せる。 「おねえさん!友達が大変なのにひどいよ!!」「ゆっくり謝っていってね!!」 それでもニコニコしているお姉さん。おもむろに綺麗な指を弾いてパチンと弾いた。 「「「???」」」 ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆでゅでゅ…、ゆっくり達の近くからぐぐもったような変な音がした。 最初に苦しんだゆっくりが出していることに気づいて驚愕した。うめき声を上げ痙攣しながら苦しみだした。 「どうしたの!!」「ゆっくり元気になってね!!」 小刻みに震え体表に何かが浮かんでくる。何かが脈動し醜く変形するゆっくり。恐怖から他のゆっくりは震えながら固唾を呑んで見守った。 断末魔。 「ゆ----------!!!」 …ブチィ!!と何かが引き千切れる音。苦しんでいたゆっくりの側面…頬辺りから植物のつぼみが突き出した。つぼみは外気に触れるとビクビクと小さく脈動した後に紅白の花を咲かせた。 「ひぃぃぃぃ!!」「わからないよ!?わからないよ!!」「ちーんぽ!!」 恐怖が他のゆっくりに伝染する。2匹目の仲間が目の前で花を咲かせ絶命した。虚空を見つめ、側面に花を咲かせている図は滑稽で理解不能で更なる恐怖を煽った。怖くて逃げ出そうとしたゆっくりが小石に躓き、つたで傷つき突っ伏していたゆっくりの上に勢いよくつっこんだ。傷から中身をひり出しながら痙攣し、絶命した。ゆっくりたちがまた絶叫する。転んだゆっくりの顔は後悔と混乱で蒼白、餡を浴びて汚れた。 「うふふ…。意外と綺麗なお花ね。それと、お友達またへっちゃったね。」お姉さんは日傘をいじりながら事も無げに言い放ってにっこり。 「早くここから出して!!」「うー!!うー!!」 ゆっくりたちは早くこの恐怖から開放されたかった。この場所にいたら自分も花になってしまうのでは?逃げたい。半狂乱状態でお姉さんに懇願する。ここから逃げ出せるなら、救いの手が差し伸べられるのならばどんな事でもしてみせれる気さえした。 「いいわよ。一人だけなら。」目を細めながら言った。…お姉さんはとてもにこやかだ。 お姉さんがパチンと指をならした。…ただ指を鳴らしただけだった。新たな『つた』も『花』も生えない。だが、トリガーは弾かれた。 呆然とするゆっくりを尻目に黒大福が2匹目の裂傷しているゆっくりをふみつけた。何度も何度も体全体を使ってトランポリンのように跳ね続けた。吹き出る中身。 「ゆっくりあっちに逝ってね!!」「むぎゅぅぅん!!」 飛び散る餡。絶叫するほかのゆっくり。もう動かなくなっているのに狂ったかのように跳ね続けている。黒大福は本気だった。仲間のために知らなかったとはいえ命を張った仲間を、友を踏みつぶしている。 その光景が、今度は狂気が伝染する。このままおとなしくしてたらゆっくりできない体になる。嫌だ。自分だけがゆっくりするんだ! 1匹堕ちれば後は総崩れ。この中にいるのは全員敵。排除しないとゆっくりできない。 「ゆっくり死んでね!!」「早くゆっくりさせてね!!」 自分だけが助かりたい。ここから逃げ出したい。ゆっくりたちが体全体を使い相手をつたのほうへ弾き飛ばそうとする。踏み潰そうとする。餡が飛び散る。狂気が、殺意が加速する。 日傘を揺らしながら、その光景をにっこりと見つめるお姉さん。 「ぢーんぼぉぉ!!」「痛いんだね!!わかるよー!!」 断末魔。白髪ゆっくりがつたに絡まった。何を理解したのか尻尾のついたゆっくりはわかるよー、と白髪ゆっくりを押し付け、傷を確実に広げていく。痛みで気絶したら後は軽い圧力だけで死に至る。止めのために踏みつける。 あちらこちらで悲鳴とブルュブリュと止めを刺す音が聞こえる。絶命の度にお姉さんはにっこりした。 「ゆっく…しっかり死んでね!!」「いだい!!わ゛がらないよぉー!!」 決着がつきそうだ。黒大福が尻尾を咥え自分を中心に尻尾ゆっくりをくるくると回転させて、十分に勢いをつけたところで、 「ぷはっ、ゆっくり飛んで死んでいってね!!」 口を離した。十分に加速したゆっくりはつたに押し付けられ二つに崩れた。 餡がつたの先にボトリとおち、周りをキョロキョロとみわたしたあと 「ゆっくり!これで、私は、私だけがゆっくりできるよ!!」 たった一人、生き残った黒大福は勝利の余韻に浸って、返り餡を落とすことなく檻の中心でふかく目を瞑ってゆっくりしていた。 「…さ、約束ね。」お姉さんが指を鳴らすとつたが消えた。 「ゆっくりできる!!おうちかえる!!」 黒大福はお姉さんに一礼するとさっさと、そこら中に散らばった餡や皮を踏みつけながら鼻歌交じりでその場から去って行った。 もう、かつての友など気にもせずに。 黒大福を笑顔で見送って 「…向日葵達が殺され理不尽に土に還らされた。家畜のような存在のエゴの為に。だからそいつらを理不尽な手段で土に還した。」 残されたお姉さんが言った。 数分後に…パチンと指をならした。笑ってはいなかった。 それから数日して、天狗が向日葵畑の上空を通過しようとした際に何かに気がついた。この前までは確かに一面の黄色だったはず。だが、今は違う。畑の一部が人為的に円形に空いており薄い青色の月見草や紅白の薔薇、水芭蕉、鬼灯など場違いな花が仲良く並んでいた。 ここの管理者らしくない対応だったが、近くでそれらをみて、確かに取り除くのには惜しい、見事に綺麗な草花だと思った。 主曰く「花びらが散って土に還るまでこのままよ。それにこの子達は今はもう元通りで仲良しよ。咲く時期も近いもの。」 女である私でも惚れ惚れするぐらい綺麗に微笑んだ。……こっそり写真も撮った。 そう言われてみれば、『仲良し』確かにそんな気もする。だが、『今はもう?』『元通り?』イマイチ意味が解らない。 これらは異変の前触れ?実は既に異変発生?わずかばかりそういう事を期待したがどうやら空振りだったようだ。 だが、滅多に取材できない相手だけに天狗はチャンスとあれこれ聞こうと考えた。が、珍しく上機嫌な太陽の主と仕事抜きでのんびりするのも悪くは無い気がした。今日だけは主も拒まないだろう。 …不思議とこの場所はなんだかゆっくりできる気がした。 さらに数ヶ月が過ぎた。太陽の畑から数分歩いた森の中にボロボロに汚れた黒い繊維質のゴミクズが転がっていた。ゴミクズのそばには白くて可愛らしいクロッカスが孤独に咲いていた。 クロッカスの花言葉は「信頼」「裏切らぬ事」。 裏切り者の嘘つきは最後まで嘘つきだった。
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/4764.html
ゆっくりできない四畳半 住宅街から少し離れた河川敷の橋の下。 そこに一匹の身重のれいむが居た。 ゆらゆらと体を揺らしながら幸せそうな顔で歌を歌っている。 「ゆ~ん♪ゆ~ん♪」 周りの草花もれいむに合わせて踊っているかの様に風に揺れる。 その柔らかな風がれいむの頬を撫でた。 すぐ側を流れる川が太陽の光を反射してキラキラとれいむを照らす。 顔をあげて空をゆっくりと流れていく雲を眺めてれいむがにっこりと微笑んだ。 「ゆ~っ!とってもゆっくりできるねっ!」 れいむは群の幼馴染のまりさと番になった。 元々住んでいたゆっくりプレイスはあまり餌が豊富でなかった為に子供を作る事ができなかった。 そこで2匹は群を離れて山から下り、この河川敷に移り住んだのであった。 最初は元のプレイスを出て新たな環境での生活に不安を感じていたが、 草むらに住む豊富な食料や雨風を凌げるホームレスが捨てた家は、 2匹に以前のプレイスよりも裕福なゆっくりライフを提供をしてくれた。 群の仲間からゆっくりを見つけると襲い掛かってくると聞かされていた人間も 「ゆっくりしていってね!」と元気に挨拶をすれば気さくに返事を返してくれた。 きっと無断で人間のゆっくりプレイスに入り込んで、悪さをしたゆっくりの戯言だったのだろう。 そんな事をしたら怒るのはゆっくりでも同じである。 れいむは今までのゆん生の中で最も幸せを感じていた。最もゆっくりしていた。満たされていた。 そう、次の瞬間までは 「ゆっくりにげるよっ!こっちこないでねっ!あっちいってねっ!」 遠くからぽいんぽいん!と草むらを跳ねてくる丸い影。 あの三角帽子のシルエットはれいむの番のまりさである。 しかしまりさの様子が何やらおかしい。 全身から汗を垂れ流して息を荒げながら必死の形相でこちらに叫んでいる。 「ゆっくりかくれてねっ!れいむ!ゆっくりかくれてねぇぇ!」 まりさの取り乱した声をゆっくりと聞いたれいむは顔を強張らせる。 群で一番ゆっくりしていたまりさとは思えない焦りようからも事態の深刻さが伺えた。 「ゆゆっ!れいむはゆっくりかくれるよ!」 れいむはビールケースとビニールシートでできたゆっくりプレイスの影に身を潜める。 れいむがゆっくりと身を隠した事を確認すると まりさは身をひるがえしてあさっての方向にその進路を変えた。 「ゆっくりまがるよ!まりさはこっちへ逃げるよ!あっちにはいかないでね!」 時折後ろを振り返りながら大声で叫ぶまりさ。 恐怖で震えるまりさの視線の先には、まりさとは比べ物にならない程の大きなシルエット。 それは人間だった。 まりさは人間がゆっくりプレイスへ近づかないように誘導していたのだ。 しかし人間は必死に声を張り上げるまりさの方へは向かわずに真っ直ぐにれいむの居る方へ進む。 その様子を見てまりさは驚きの表情を浮かべて立ち止まった。 「ゆっ!なにしてるの!まりさはここだよ!かわいくてごめんね!」 まりさの呼びかけを無視してれいむの居る方向へ歩みを進める人間。 まりさはオロオロと取り乱した顔をしながら人間を追いかける。 「ゆっ!ゆっ!やめてねっ!そっちにはなにもないからねっ!ゆっくりやめてねっ!」 目に涙を溜めながら人間と併走して叫ぶまりさ。 まりさを無視して歩みを進める人間はれいむとまりさのゆっくりプレイスの前で足を止めた。 プレイスの影からそっとを身を乗り出して人間の様子を伺うれいむ。 「ゆっ・・・!ゆゆっ?」 れいむは人間の顔を見て僅かに安堵した。 人間の表情には怒りとか悲しみといった負の要素は感じられなかった。 むしろゆっくり的にはゆっくりしていると感じた。 まりさが不注意で人間の家に迷い込んで粗相をしてしまったのかも知れない。 自分達は人間に危害をくわえるつもりが無い事を伝えればわかってくれる筈だ。 そして理由を聞いてこちらに比があればゆっくりと謝罪しよう。 れいむはそう思ってプレイスの影から一歩足を踏み出した。 恐怖に引きつった顔を引き締めて精一杯の笑顔を浮かべる。 「ゆっ♪にんげ」 次の瞬間、雨さんや風さんがどんなに機嫌が悪くても微動だにしなかった れいむとまりさ自慢のゆっくりプレイスが粉々に砕けながら上空に舞い上がった。 吹き飛ぶビールケースに体をぶつけたれいむが草むらを転がる。 「ゆ゛っ!ゆっくりっ?ゆっくりぃっ!?」 雨の様に降り注ぐプレイスの破片。 まりさが産まれてくる子供たちの為にせっせと集めていた餌が地面に落ちて音を立てて散らばる。 体を掠めて地面に突き刺さるビールケースに驚いてれいむは「ゆぴぃ!」と声をあげて地面に縋り付いた。 体を縮こませながら小さく震え、目を見開いて崩壊していくプレイスをただ見つめる事しかできなかった。 崩れたプレイスの奥から顔を除かせる足を振り上げた人間。 2匹の自慢のゆっくりプレイスは人間が足を振り上げただけでいとも容易く崩壊してしまったのだった。 「どうじでごんなごどするのぉぉぉ!あやまってねっ!ゆっくりあやまってねっ!」 まりさが人間の足に体当たりしながら涙を撒き散らして叫ぶ。 しかし相手がゆっくりならば一撃で昏倒してしまう程の勢いで 体当たりを続けているのにも関わらず人間は微動だにしない。 逆に人間の脛の辺りに体当たりをしてしまい、その硬さと痛みにまりさの動きが止まる。 「あ゛や゛ばっ・・・・ゆっくりい゛だい゛っ!!」 ズルズルと滑り落ちて人間の足にもたれかかるまりさ。しかし弱みを見せるわけにはいかなかった。 歯を食いしばって涙がこぼれるのをグッと堪える。番のれいむの前で情けない姿を見せるわけにはいかない。 まりさがキッ!と人間を睨みあげる。 まりさから見た人間はまるで巨大な塔の様に聳え立ち、その視線はれいむの方へ向いていたが、 ギョロリとまりさを見下ろす。海底の沈殿物の様な黒い両眼。まりさと人間の目が合う。 ゆっくりにとっては遥か上空から見下ろすその眼にまりさは思わず身を振るわせる。 「ゆぴぃ!!」 数秒前の決意も空しく涙を垂れ流しながらのけぞるまりさ。 そんなまりさの頭を人間が鷲づかみにして持ち上げた。 スーッ!と天へ登っていくまりさ。その視点の高さに血の気ならぬ餡子の気が引いていく。 「ゆぅぅぅ!!たかいぃぃ!!ゆっくりたかいぃぃ!!まるでおそろろらろっ!?」 本能的に「まるでお空を飛んでるみたい」と口にしようとしたが、恐怖の余りそれさえもままならない。 まりさには広大なサバンナの様に感じていた草むらがジオラマの様に一望できる。 その光景にまりさは下腹部がキュッと縮こまるような妙な感覚が走った。 これが人間の視点だった。勝てない。勝てるわけが無い。まりさの心は容易く折れてしまった。 降参の合図の様にまりさのしーしーの穴が膨れ上がりジョロジョロと甘味を帯びた水が地面にこぼれ落ちた。 自分の体からだらしなく排出されるしーしーを見てまりさが頬を赤らめながら涙をポロポロと零した。 「ゆ゛っ!みないでねっ!みないでねっ!」 人間とれいむに向かって涙交じりの声を張り上げるまりさ。 これから赤ゆっくりを設けて一家の大黒柱になる筈だったまりさの痴態を見て 地面に張り付いて事の成り行きを見守っていたれいむが「うゅゅ」とすすり泣く。 人間は表情を変えることも無く、まりさの顔をつまらなそうに眺め続けた。 「やべでねっ!もうおろしてねっ!ゆぅっ!!ゆっぐりざぜでぇぇぇぇ!」 人間の手から逃れようと「じたじた」と身を震わすまりさだったが、 最後の一滴がこぼれ落ちるまで人間の視線はまりさに注がれ続けた。 しーしーを出しつくして屈辱に塗れた表情でグッタリとうな垂れるまりさ。 人間はまりさのお飾りである帽子を奪い取ると無造作に地面に投げ捨てた。 涙も枯れ果てて真っ赤になったまりさの目が見開かれる。 「ゆぅ!!なにしてるのぉっ!やめてねっ!まりさのお帽・・・じッ!!!」 声を張り上げようとしたまりさの顔面に人間の平手がめり込んだ。 ビリビリとした衝撃がまりさの中を駆け巡る。 今までのゆん生の中で経験した事の無い激痛。 痛い。怖い。ゆっくりできない。人間さんはゆっくりできない。 かえりたい。森にかえりたい。怖い。とにかく怖い。 「ゆ゛っ!・・・ぐっゆっ・・・!」 目をギュッと閉じてガタガタと身を震わせるまりさ。 人間はそんなまりさに気をかける事も無く、 まりさのおさげを解いて髪をパイナップルの様にまとめるとリボンできつく縛った。 「ゆ゛ぅぅぅぅ・・・!やべでぇぇぇ・・・!やべでねぇぇぇ・・・!」 涙で汚れた顔を更にグシャグシャにして力なく声を絞り出すまりさ。 しかしその声はピタリと止まった。 男の手に握られているのはライター。 その先から噴出する火を見てまりさが顔を強張らせる。 「ゆ゛っ!や、やめてねっ!あついあついはゆっくりできないよっ!」 「やべでねっ!まりさをゆっくりさせてあげてねっ!」 草むらに身を潜めていたれいむも人間の足に身を擦り付けて懇願を始める。 ライターの火から身を捻って体を遠ざけるまりさ。 しかし男の手に握られたまりさの体はこれ以上ライターの火から逃れる事はできない。 徐々にまりさの体に近づいていく炎。その熱にまりさは顔を歪める。 「ゆ゛っ・・・ゆゆっ!ごべんなざいぃぃ!よくわからないけどごべんなざいぃぃ!」 まりさはどうして今こんな事になっているのかわからなかった。 まりさの狩りをジッと見つめていたこの人間に元気良く挨拶をしただけである。 それなのに何故こんな事になっているのだろうか? わからない。わからなかった。しかしそれでもまりさは涙を流しながら必死に人間に謝罪した。 謝罪し続けるしかなかった。人間の気が変わって解放される事を祈るしかなかった。 「ごべんなざいぃぃぃ!ごべ・・・っゆ゛あ゛あ゛あ゛っ!!?」 まりさの謝罪は受け入れられなかった。 ライターの火はパイナップルのようにまとめられたまりさの毛先に引火した。 まりさの髪の毛がチリチリと炎に焼かれて煙をあげる。 「ゆ゛あ゛っ!ゆ゛っぐり゛!!ゆ゛っぐり゛ぃぃぃ!!」 男の手から開放されて地面を転がるまりさ。 草むらに頭を押し付けて火を消そうともがいたが、火の勢いは収まらない。 まりさの頭部に凄まじい熱気と餡子を抉るような鈍い痛みが伝わってくる。 「れいむ!だずげでえええ!ばやぐだずげでねぇぇぇ!」 「まりざぁぁぁぁ!まりざぁぁぁぁ!」 まりさがのたうちまわりながられいむの元を目指して転がる。 れいむはまりさに駆け寄って炎を消そうと舌をまりさの頭に近づけるが 炎に触れる前に煙が立ち上りグニャリと舌先が変形した。 「ゆ゛ぎゅっ!」 少し遅れて伝わってきた激痛にれいむは思わず地面に倒れこむ。 触っても居ないのにこの痛さ。頭を炎で焼かれているまりさの痛みは計り知れない。 まりさは目をこぼれ落ちる程に見開いて耳を劈くような奇声をあげながら地面に頭を叩きつけている。 このままではまりさが二度とゆっくりできなくなってしまう。 幼い頃から一緒に遊んで、歌って、狩りをしたまりさが居なくなってしまう。 れいむにとってまりさの居ないゆん生など考えられなかった。 「まりさぁぁぁ!お水さんだよぉぉぉぉ!ゆっくりしないでお水さんに飛び込んでねぇぇぇぇ!」 「ゆ゛あ゛あ゛っ!おびず!!お゛びずざん゛ん゛!!!」 まりさはギリッと歯を食いしばりながら身を翻して 川に向かってばすんばすん!と火の粉を撒き散らしながら弾んでいった。 「おーい、まりさ」 「ゆ゛っ!!!」 川まであと数歩の所で人間がまりさに声をかけた。 血走った目で川へ向かって飛び跳ねながら人間の方へ視線を向けるまりさ。 その人間を見たまりさの足が思わず止まる。 「ゆっくり戻ってね」 人間の手に握られたのはまりさの命と同じくらい大事な帽子。 その帽子には先程のライターがあてがわれている。 「ゆ゛っ!!な゛に゛じで!?な゛に゛じでぇぇぇぇぇぇぇ!?」 形相を浮かべながら川を流れる水と人間の握った帽子を何度も交互に見つめるまりさ。 早く水に入らないとゆっくりできない。でも帽子を焼かれたらゆっくりできない。 頭の上では熱くて痛い塊がバチバチと唸りを上げている。 まりさの体が自然に川へと向かって擦り寄った。 「ゆっくり戻れ」 先程より冷たく重い人間の声。まりさの動きがピタリと止まる。 戻って帽子を返して貰わないといけない。でも水に入らないとゆっくりできない。 しかし火を消しても帽子が無いと一生ゆっくりする事はできない。 でもまず水だ!しかしその前に帽子を!でもこのままだと!しかし!でも!しかし! 帽子!水!ゆっくり!帽子!水!ゆっくり!帽子!水!ゆっ・・・ プツッ! 答えを導き出す事無く、まりさの命は時間切れになった。 熱がまりさの泡だった頭皮を溶かして破き、鈍い音と共に噴水の様に餡子がビュルビュルと噴出した。 「びばっ!ばっ!ばばばばばっ!」 一瞬にしてゆっくりの生命を維持する餡子の大半を失って痙攣をはじめるまりさ。 噴出した餡子によって火は消えたが、それと同時に命の灯火も消えてしまった。 ぶるんぶるんと操り人形の様に身を揺らすまりさを見てれいむが叫び声をあげた。 「まりざぁぁぁぁ!まりざぁぁぁぁぁ!ゆ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」 「狩りにいってくるねっ!」と何時ものように元気な微笑みを浮かべて草むらへ跳ねていったまりさが 今は目の前で白目を剥いてだらしなく舌を垂れ流して痙攣しながら餡子を撒き散らしている。 どうしてこんなことに。まりさはついさっきまであんなにゆっくりしていたのに。 「どぼじでええええ!どぼじでえええええ!」 れいむは痙攣をやめて崩れ落ちるように地面に倒れこんだまりさの元へフラフラと向かう。 しかしその歩みはたった数歩で止まった。 激しい下腹部の痛み。 まだ赤ゆっくりを出産する時期では無かったが、 まりさの死に直面したショックで本能的に子孫を残すべくれいむが産気ずいた。 「う゛っ!うばれ゛る゛ぅぅぅぅぅ!」 歯茎を剥き出しながらギリギリと歯を鳴らして 涎と汗をダラダラと垂れ流しながられいむは丘に打ち上げられたトドの様に地面に横たわる。 その光景を醒めた目で眺める人間。 「ゆっぐりじでいっでね!おぢびちゃん!お外はゆっぐりできないよぉぉぉっ!」 必死に産まれ落ちようとしている赤ゆっくりに語りかけるれいむ。 気がつくと人間はれいむの傍らに膝を曲げて腰を下ろしていた。 まりさをあんなにもゆっくりできない方法で嬲り殺しにしたというのにも関わらず全く悪びれない表情。 こんな事をしたのに午後までゆっくりと寝過ごしてしまったかの様なとぼけた顔。 れいむのゆん生の中で湧き上がったことの無い煮えたぎる様な怒りの感情。 その「ゆっくり」とは間逆の感情を抑えることが出来ずに れいむはクワッ!と目を見開いて人間を睨みつけると狂ったように叫んだ。 「じねぇぇぇぇ!ゆ゛っぐり゛ごろじはぞぐざにじね゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛!」 首を振り回して唾を撒き散らしながら大口を開けて人間を罵倒するれいむ。 しかしそれでも人間の表情は変わらない。 人間は地面に落ちている石を拾い上げてれいむのまむまむに宛がうと れいむを蹴り飛ばした。 「んぎゅんッ!」 強引にまむまむに蓋をされて出産を阻止された。 ぷるんぷるんと体を波打たせながられいむが地面を弾む。 コロコロと地面を転がり仰向けになった所でようやくれいむの体が止まった。 全身を駆け巡る激痛に白目を剥いて痙攣するれいむ。 その視線の先には先程と変わらないゆっくりと流れる雲。 れいむがこんなにもゆっくりしていないのに、雲さんは何をそんなにもゆっくりしているのだろう。 憎々しげな視線を空に向けていたれいむだったが、その視線が人間によって遮られる。 れいむの視界が人間の振り上げた足で一杯になった瞬間、その意識はプツリと途切れた。 それから数日後 薄暗い廊下を進む男。 男の足音と時計の針が時間を刻む音だけが辺りに響く。男が立ち止まった先には固く閉ざされた扉。 そこは未整理の品々が乱雑に置かれた物置だった。その一角のクローゼットに男は手をかける。 ギィ 木材の軋む音。開かれたクローゼットの中は空っぽだった。 物が何も置いて無いという意味ではない。本当に何も無かった。 ただの空洞。トンネルの様にただそこに置かれているだけだった。 目の前には再び扉。クローゼットはこの扉を隠す為だけに存在していた。 男はポケットから鍵を取り出し、その隠し扉の南京錠にそれを差し込んで扉を開いた。 中は四畳半ほどの狭い空間。 部屋の脇の棚にはうず高く積まれた水槽。その水槽の中には無数のゆっくり達が蠢いていた。 ゆっくりすることを信条としてゆっくりできる者ほど優れた個体とされるゆっくり達だったが、 ここに居るゆっくり達の表情はおおよそ「ゆっくり」などという単語とはかけ離れていた。 虚ろな目で薄笑いを浮かべて虚空に目を泳がすだけのゆっくり。 ひたすら痙攣を繰り返し時折耳を劈くような奇声を上げるゆっくり。 息絶えた親ゆっくりの体に無数に埋め込まれた狂ったように泣き叫ぶ赤ゆっくり達。 延々とすっきりを行い頭から生える実ゆっくりを奪い合うように喰らう番のゆっくり。 すべて男の仕業だった。 自然に住む野生のゆっくり、街に住む野良ゆっくり、誰かに飼われていたであろう飼いゆっくり。 それらを見境無くここに連れ込んで虐待と更なる虐待の為の治療を繰り返した。 多くのゆっくりは命を落としたが、 その前に精神を病んで奇行に走り出したゆっくりを棚に並ぶ水槽に入れて延命させた。 それが男の今のコレクションである。 それには何の意味も無かった。飽きればゴミのようにそれを捨てるだろう。 部屋の真ん中の作業台の上に置いてある透明な箱の中にまだ精神を病んでいないゆっくりの親子が居た。 数日前に番のまりさを殺されて、ここに連れて来られたれいむとその赤ゆっくり達だ。 棚に陳列された精神を破壊されたゆっくり達の視線に怯えながらこの薄暗い部屋の透明な箱の中で れいむは7匹の赤ゆっくりを出産した。れいむ種が5匹、まりさ種が2匹。 この8匹のゆっくり達はこれから数時間で死ぬか、棚の水槽で死んだように生き続ける事になるだけの存在。 少なくともこの時点では、このゆっくりの親子達には逃れられない2つの運命が待つのみだった。 「い゛っい゛や゛じゃぁぁぁ!!ばなじでにぇぇぇぇ!!」 もみあげをパタパタと振りながら赤れいむが身をよじって男の手の中で暴れる。 男は手のひらの赤れいむを人差し指と親指で摘み上げると潰れる限界までその体を押し潰した。 赤れいむの動きはピタリと止まり顔を真っ赤にして涙を零しながら小さく呻き声をあげる。 「んぎゅ・・・・!んぎゅぅぅぅぅぅ・・・・!!」 「やべでええええ!やべでね!おちびちゃんはいやがっでるよぉぉぉ!」 透明な壁に顔を押し付けて号泣する親れいむ。 男は空いた片方の手を机に滑らせると一本の針を取り出した。 その先端を赤れいむに突きつける。 顔を真っ赤にしながら圧力に耐える赤れいむの顔が更に醜く歪む。 「やべちぃぇぇぇ!ゆっぐちちゃちぇてぇぇぇぇ!」 「ゆっくりさせてぇぇぇ!おちびちゃんをがえじでぇぇぇ!」 水槽の中から嗚咽を漏らす親れいむ。 それにしがみ付いてブルブルと身を震わせる赤ゆっくり達。 男はそれをつまらなそうな目で見下ろした。 男にとってそれは腐るほど見た光景だった。心底どうでもいい光景だった。 芸の無いテンプレートな台詞に苛立ちを覚える程であった。 男が小さくため息を吐いた。 身重だったかられいむ種の方を選んだが、やはりまりさ種を持ってくるべきだった。 れいむ種はつまらない。殆どのれいむ種は虐待を前にして泣き喚くだけである。 この状況を打開しようとする意思が無い。その点まりさ種は違う。反応が多彩だ。 子を捨てて逃げ出す者。子を差し出す代わりに自分を見逃して欲しいと懇願する者。 自分の身を差し出す代わりに子を見逃して欲しいと懇願する者。 なんとかこちら側に入ろうと画策する者。その反応は多岐にわたる。 「返してやろう」 男は針を床に投げ捨て、果物ナイフを手に取ると淀みない動作で赤れいむの頭部を切り開いて 小指で中の餡子をクルリとひとかきすると頭部を閉じてオレンジジュースが入った小皿に 赤れいむを軽く浸して傷を塞ぎ、箱の中に赤れいむを投げ入れた。 親れいむにはこの一瞬の動作を認識することができずに、赤れいむは無傷で返されたと思った。 目を輝かせながら転がる赤れいむに擦り寄ると、涙を零しながら満面の笑顔を浮かべた。 「ゆっ!おちびちゃん!よかったね!ゆっくりしようね!」 「ゆっ?ゆっ?ゆっ?ゆっ?」 しかし赤れいむは箱の中でころころと転がり続ける。 他の赤ゆっくりや壁にぶつかってもその動きを止めない。 「ゆぅ!?どぼじだの!?おちびちゃん!ゆっくりしようねっ!」 「ゆ゛っ!あばっ!ばばばっ!ばひっ!」 男の手によって中身の餡子をかき混ぜられた赤れいむは 思考を司り、体の動きをコントロールする中枢餡が破壊された為に体は動いているが、 既に死亡していた。 そして姉妹のゆっくり達を払いのけて狂ったように透明な壁に何度も体を叩きつけていたが、 突然赤ゆっくりらしからぬ無駄に立派なぺにぺにをそそり立たせると 「へひっ!ゆ゛っ!しゅっ!しゅしゅっ!しゅきりぃぃぃぃ!!」 と焦点の合わない目を輝かせながら絶叫するとぺにぺにから餡子を噴出させた。 そのまま仰け反るように倒れこみ噴出させた餡子を全身に浴びる。 「しゅっきり!!しゅっきり!!しゅっきり!!しゅっ!しゅっ!しゅっ!しゅっ!」 体の餡子を出し尽くした後も満面の笑顔で痙攣しながら悶えていた赤れいむだったが、 突然この世の終わりのような苦悶の表情を浮かべた途端、 親れいむから4番目に産まれた赤ゆっくり、四女れいむは動かなくなった。 四女れいむの奇行に身を震わせて親れいむの後ろに隠れてフルフルと身を震わせる赤ゆっくり達。 親れいむも歯をガチガチと鳴らしながらその光景を呆然と見ていた。 「なにごれぇぇぇぇ!」 「ゆっぐりできないぃぃぃぃぃ」 「きょわいよぉぉぉ!」 「だしゅげでえええええ」 そんなゆっくり達の様子を詰まらなそう見ていた男が口を開く。 「腹が減った。お前らの中から3匹差し出せ、食べるから」 「ゆ゛っ!!!」 その言葉に親ゆっくりは目を見開く。 そして顔を強張らせながら男を見上げて恐る恐る口を開いた。 「ぞっ・・・ぞんなのえらべるばけ」 「全員食べてもいいんだぞ」 「ゆ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 男から放たれた冷たい一言。 れいむは歯茎を剥き出して叫んだ。もう叫ぶくらいしかできなかった。 男の手に渡ったおちびちゃんがあんな事になったのだ。 差し出せる訳がない。しかも食べると言っているのだ。 選べない。全員かわいいれいむのおちびちゃんだ。 選べる筈が無い。しかしだ。選ばなければ全員が食べられる。 選ばないといけない。選ばなければ。誰だ。いらない奴は誰だ。 れいむの餡子脳がグルグルと無駄な回転を始めた。 視線を下に移すと赤ゆっくり達が身を摺り寄せながらプルプルと震えている。 親れいむにすがりつきながらもその目には微かな不信感が伺える。 まさか、まさかとは思うが自分が選ばれるのでは無いかという不信感。 選ばない!選ぶわけがない!そんな顔でこっちを見ないで!ゆっくり!ゆっくりできない! 答えなど出ない。視界が歪んで餡子が口から出そうになるだけだった。 いらない子など居ない。しかし選ばないと。いらない子など居ない。しかし・・・ れいむの餡子脳が無限にループを始めた。れいむの心は何故か楽しくなってきた。 こんな状況なのにれいむの心がゆっくりしはじめた。わからない。ただただわからなかった。 れいむの思考が行き場を失って安全地帯である「ゆっくり」に逃げ込んだのだ。 「ゆっ!まりさがいくのじぇl」 親れいむの泥沼に陥った思考を断ち切るかのように 三女の赤まりさがぽいん!と一歩前にでた。親れいむが驚いた表情で三女まりさを見る。 目には涙を溜めてガタガタと震えていたが、その瞳の奥には確固たる意思を感じた。 その目を見た親れいむはギリギリのところで精神の崩壊を免れた。 それは数日前まで一緒に暮らしていた幼馴染の番のまりさの目だった。 「おねぇちゃん!いもうちょを一緒に守ろうにぇ!」 「ゆ゛っ!!」 「どぼじで!?」 三女まりさの視線の先には長女れいむと次女れいむ。 2匹はクワッ!と目を見開いて驚きの表情を浮かべた。 何故こんな時にそんな事をいうの?バカなの?死ぬの?英雄気取りなの? 2匹は見事にシンクロした動きで口をパクパクさせながら首をフルフルと振り回す。 そんな3匹を交互に見ながらオロオロと取り乱す親れいむ。 「決まったようだな」 面倒くさそうにゆっくり達の三文芝居を見ていた男が箱の蓋をあけて手を伸ばす。 それに噛み付くようにしてくっつく三女まりさ。 一方、長女れいむと次女れいむは涙を撒き散らしながら箱の中を飛び回った。 「がっでにばなじをちゅちゅめにゃいでにぇぇぇぇ!」 「のーきゃん!のーきゃんだからにぇぇぇぇ!」 他の赤ゆっくりを突き飛ばしながら逃げまとう2匹。 男はそんな長女れいむを人差し指で押しつぶした。 「あっちいっちぇ・・・・・・ん゛ぎゅぶばッ!」 プパッ!と餡子と砕けた歯を撒き散らす長女れいむ。 パタタタタ!ともみあげを床に叩きつけて暴れるがそんなものでは男の指から逃れる事はできない。 徐々に長女れいむを押し付ける力が強くなる。 長女れいむは「げっ!げっ!」と変な声を漏らしながら悶絶した。 「ゆぴぇっ!ゆ゛っぐち゛ぃぃぃ!ゆ゛っぐぢぃぃぃ!!」 それを見た次女れいむはしーしーをぷしゃー!と霧吹きの様に垂れ流すとピタリと逃げるのを止めて 汗を垂らしながら死にそうな顔で微笑むと「ゆっくりのるね」と男の手に飛び移った。 男の手に齧り付く三女まりさ、餡子を吐きながら痙攣する長女れいむ、 目を丸めて呆然とする次女れいむを乗せた男の手が静かに箱の中から出て行った。 「洗って禿饅頭にしてから喰うか」 そう呟いて踵を返した男。 それが男の最後の言葉だった。 ガシャン! 作業台に乗った小物を撒き散らしながら男が膝から崩れるように倒れた。 男は胸を病に侵されていた。 医師は男に病状を伝える家族が存在しない事がわかると直接男に告知した。 淡々とそれを聞かされた男は残された時間で何かを成すべく奮起する事もなく、 かと言って残された時間を静かに有意義に使う事もなく、 目に付いた幸せそうなゆっくりをさらって虐殺をはじめた。 輝く未来に胸を躍らせるゆっくり達を蹂躙して弄ぶ事によって現状から逃避した。 男にはそれが楽しくて楽しくて仕方がなかった。 楽しすぎて残された時間がもう0になりつつあることも忘れてしまっていた。 後悔はあった。やり残した事は両手では数え切れない程あった。 しかし手からこぼれ落ちた3匹の赤ゆっくりと それを箱から形相を浮かべて見ているゆっくり達。 こいつらの末路を想像すると途端に楽しくなってきた。 自らの手を下さずに自然と崩壊していくゆっくりの親子。これは面白いかもしれない。 無表情だった男の顔に久方ぶりの笑みが浮ぶ。 その横をゆっくりとは思えない速さでぱしんぱしん!と弾む長女れいむが通り過ぎた。 目を血走らせて必死の形相を浮かべながら一心不乱に扉の外を目指す。 親も姉妹も見捨てて本能的にゆっくりできない場所からの逃走・・・。 本能的?どうだろうか?この糞袋は産まれて早々にゲスの才能を開花させたのかも知れない。 分厚い扉の隙間を抜けて長女れいむが四畳半の部屋を抜け出す。 恐怖に引きつった顔がコロリと笑顔に変わる。 「ゆゆん♪おそとに」 (でられないよ) 扉の隙間から手が伸びて長女れいむを捕らえた。 檻の様に5本の指が長女れいむの周りに突き刺さる。 「ゆぴぇっ!どいちぇにぇ!どいちぇにぇぇぇ!」 指の間に体を押し付けて尻を振って脱出をはかる長女れいむ。 男の指先に濡れた感触と弱々しい長女れいむの力が伝わってくる。 えぐえぐと嗚咽しながら長女れいむが耳障りな甲高い声で叫ぶ。 「どいちぇぇぇぇ!どげぇぇぇぇ!じじいいいいぃぃl!」 男は腕を手繰り寄せて後方へ振り下ろした。 指の牢獄が床を滑る。 指の間から醜く顔をはみ出しながら長女れいむも床を滑った。 再びゆっくりできない部屋に引きずり込まれる。遠ざかっていく扉の隙間。 まるで底の無い落とし穴に突き落とされるような感覚。長女れいむの表情が恐怖に歪んだ。 「ゆ゛ん゛や゛ぁぁぁぁぁぁぁ!!」 それと同時に長女れいむの足元に焼けるような痛み。 床との摩擦で長女れいむの体が擦り切れていった。 餡子を撒き散らしながら床を転がる長女れいむ。 男は最後の力を振り絞って立ち上がり、 倒れこむようにして四畳半の部屋から出ると扉を蹴り飛ばして閉じた。 中の音はもう一切聞こえない。 あの耳障りな奇声と嗚咽が嘘のように静まり返る室内。 時計の針が時間を刻む音だけが部屋の中に響く。 その微かな音も男の耳にはもう届いていなかった。 男は満足気な表情を浮かべると眠るように目を閉じて動かなくなった。 「じねぇぇぇぇ!じねぇぇぇぇぇ!ゆっぐちじねぇぇぇぇ!」 餡子を滴らせながら固く閉ざされてしまった扉に向かって 呪いの言葉を吐き続ける長女れいむ。その言葉は男にはもう絶対に届かない。 「ゆひゅーゆひゅー」と息を切らせながら天を仰ぐ長女れいむ。 赤ゆっくりにとっては遥か上空に佇む棚に並ぶ水槽の中の 「目」しかないつるつるの丸いゆっくりと長女れいむの目が合う。 (・・・ゆっくりしていってね) 「ゆ゛っ!!!」 突如聞こえた聞こえるはずの無いその声に長女れいむは 歯を剥き出して驚きの表情を浮かべてその場で飛び上がった。 そして着地した時の湿った音で自分の中身が取り返しのつかないほど 流れ出してしまった事に気がついて目に一杯の涙を浮かべた。 つづく ※ついに名前を貰ったよ!代表作が「お○んぽ大好き!みょんの大自然丸かじり」とかだったら 「お○んぽ丸かじりの人」とかになってたんだね!わかるよ!わからないよ! 今まで書いたもの ゆっくり見せしめ ゆっくり電柱 ゆっくり脳内補完 副工場長れいむの末路 ゲスの見た夢 元野良れいむの里帰り ゆっくりできない四畳半 このSSに感想をつける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/149.html
注)イライラの続きです(作者は別の方です) あまりにムシャクシャしてきたので「ゆっくり撃ち」に出かけることにする。 納屋から猟銃代わりの小銃を取り出して簡単な点検を行う。 問題なし、直ちに使用可能だ。 弾薬箱から九七式焼夷実包と九九式普通実包をいくつか取り出して運搬用の弾入れに入れる。 ゆっくりに何をされても一切反撃しないことで里では有名な変わり者のオッサンの畑へ向かう。 あの畑ではいつもゆっくりが我が物顔で徘徊しているのは有名である。 連中に人間の恐ろしさを教育してやるとしよう。 5分ほど歩くとそのオッサンが道の向こうからトボトボと歩いてくる。 ゆっくりに甘いだけで他の点はいたって普通のあのオッサンはもう少しハキハキと歩いていたような気がするが…。 畑に行って射的の的がありませんでしたじゃ困るので話しかけることにする。 やはり腰を痛めていたようだ。しかもゆっくりに体当たりされてときた。 そこまでされたら八つ裂きにしてやりたくなるもんだが、なぜかこのオッサンは一切手を出さない。 まあおかげで楽しく射的ができるのだから文句のつけようも無いが。 オッサンに畑のゆっくりを始末する許可を(殆ど儀礼的なものだが)貰った俺は畑へと急いだ。 畑に行って射的の的がry 5分間の駈足行軍で畑から間に別の畑を挟む程度に離れた土手にたどり着いた。 畑のほうが位置が高いので土手に身を隠す形になる。 「ゆっ…く…たべ……!」「「おい…し……!」」 ゆっくりの楽しそうで人間の精神を逆撫でする声が聞こえてくる。デケエ声だ。 クリップに取り付けた5発の弾を上から装填し遊底を閉め、表尺を起こす。 安全子を手のひらで押し外し、伏射の体勢を取って射撃準備完了。 表尺から畑を覗くと大型の紅白饅頭と黒大福が1つずつ 子供の紅白饅頭が4つに黒大福が3つ見えた。 オッサンは紅白饅頭の親子しか居なかったと言っていたから、その後に呼ばれるなりして増えたのだろう。 まあ的が増えて楽しいだけだが。 一発目は焼夷実包。母親らしき霊夢種に照星を合わせて引き金を引いた。 焚き火に突っ込んだ竹がはじけるような音が辺りに響く。 無煙火薬の燃焼によりマッハ2前後に加速された銃弾は母霊夢の顔ほぼ中央に命中、 銃弾自体は反対側から出口の餡子と皮を道連れに抜けていったが、体内においていかれた焼夷剤が発火し高熱を発生させた。 「ゆっく…り?」 命中した瞬間は何が起こったか分からない様子だったが、体内で発生した高熱を感じ取ると大声で泣き叫び始めた。 「あ゛つ゛い゛よ゛お゛お゛ぉぉおお!!い゛た゛い゛よ゛お゛おおお!」 「おかあさん!しっかりしてね!」「しんじゃやだあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」「ゆっくりじでええ゛え゛え゛!!」 母の悲鳴に子供達や魔理沙種が涙を流しながら声を上げる。 普通、他のゆっくりが危害を加えられると魔理沙種はさっさと逃げ出してしまう物だが、 よほど仲が良い親友だったのか逃げ出そうとはしなかった。 「さっさと逃げ出せばいいものを」などといいながらボルトを引き普通実包を装填。狙うは母魔理沙。 引き金を引くとほぼ同時に母魔理沙の額にパスッと小さな穴が開き、反対側がはじけとんだ。 親友を心配している顔で「ゆ゛ぅ゛ぅ゛う゛゛う」と断末魔をあげて絶命した。 残った三発を子供の黒大福に平等に一発ずつ叩き込んだ。体が小さいためか銃弾は母ほどダメージを与えずに反対から抜けていった。 小さな黒大福は「た゛す゛け゛て゛ー!」「い゛た゛い゛よ゛ー!!」と言ってのた打ち回っている。 遊底を開けて次弾装填、すべて普通実包だ。 次々に周りの友達や肉親が倒れていって混乱のさなかにある紅白饅頭にも一発ずつプレゼントし、 やはり苦しみながらのたうつのを見て表尺から目を離す。 なかなか愉快な気分だったが、何時までも叫ばれ続けるのも腹が立つので慈悲深いことに止めをくれてやることにした。 銃剣を取り出して小銃先端の着剣装置に装着する。 もう音を立てないようにしても意味が無いので、小銃を構えて走る。 あっというまに畑にたどり着いたが、どのゆっくりもこちらには気がつかない。挨拶ぐらいしてもいいじゃないか。 こんな無礼な生き物はやはり死すべきだと再認識したので、この中で一番苦しそうな(一番目障りな)母霊夢に足を向ける。 母霊夢は白目をむきながら「ゆ゛、あ゛、あ゛、あ゛…」と不気味な声を上げて苦しんでいた。 目の前に立ってやっとこちらに気づいたようで「た゛す゛け゛て゛…」とか言ってきたが勿論無視。 腰を低く落とし銃剣で一気に突く! 「ゆ゛う゛う゛う゛っ!!!」 どこにそんな体力が残ってるんだと思うぐらい大きい断末魔を上げたあと、ガクリとくずれ動かなくなった。 「確認殺害戦果1、だな。」 そう呟くと、今の断末魔でこちらに気づいた子ゆっくりどもの始末に向かう。 「お゛し゛さ゛んや゛め゛て゛ええ゛!!」「と゛う゛し゛て゛そ゛お゛いうこ゛と゛す゛る゛のー!!」 何か言ってきてるが当然やめるつもりは無い。母の餡が付着した銃剣で子ゆっくりを突き刺した。 「ゆ゛ふ゛っ!」「ふ゛け゛っ!」「ゆ゛っく゛りさ゛せ゛て゛ふ゛ほ゛っ!」 紅白饅頭を3つ処理し、次に黒大福の処理に向かう。殆ど作業だった。 「ゆっく゛りや゛め゛てへ゛っ!」「ゆ゛る゛し゛っ!」「い゛っし゛ょに゛ゆっく゛りし゛ふ゜っ!」 命乞いをして来たゆっくりを突き刺すことほど気持ちが良い物はそうそうないと思う。 何か忘れた気がしてきた所で、ふと後ろを振り向く。 餡子を引き摺りながら最後のゆっくり霊夢が必死に逃げていた。もう殆ど森へ入っている。 何を思ったか「おじさんはひとりでゆっくりしててね!」などと捨て台詞を吐いた。 だが、それが良くなかった。 発声するために一瞬移動をやめ、その為に隠れられそうな岩陰にあと少しのところで銃弾を受けてしまったのだ。 どうせ放って置いてもあの様子じゃ捕食者に食われるか野たれ死ぬかなので見逃してやろうと一瞬思ったが、 死ぬまでに他のゆっくりに出会って此処の惨状を伝えられるとひどく不都合なことになる。 別にゆっくりの復讐など恐れることは無いが、此処の惨状を知ったゆっくりが此処へこなくなるのは避けたかった。 折角の楽しい趣味が一つなくなるのは非常に不都合だ。 そこまで考えた俺は、あと少しで岩陰に入ってしまうゆっくりに表尺を合わせ引き金を絞った。 そのゆっくりは何が起こったかわからなかった。 あとすこしでおうちにかえれる!そう思ったとき、急に視界が飛んだ。 分からないのも無理はない。 最初に受けた銃撃で体の構造が不安定になっていたところに受けた二発目の銃弾は、その持てる運動エネルギーで饅頭に不可逆的な変化を起こしたのだった。 俺は愉快な気分で帰宅中だった。 ゆっくりを手に掛けるところを思い出すと、どうしても笑みがこぼれる。 特に最後のは傑作だった。 銃弾が命中した瞬間、饅頭が粉々に弾けとび、何が起こったかわからないという顔の部分が空中からひらひらと地上へ落ちていくのを見てしまったのだから。 オッサンには楽しい思いをさせてもらったお礼に、何か作物をあげようかと思いながら彼は家へと急いだ。
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/425.html
-初めに- このSSを読む前に“ゆっくり加工場”を読むことをオススメします。(加工場を書いたのは私ではありません) このまま“プチゆっくり魔理沙の生涯”を読んでもかまいませんが、以前私がUPした“ゆっくり霊夢の生涯” を読むと、内容が理解しやすいと思うのでオススメします。 ゆっくりに対する過激な虐待表現が含まれておりますので苦手な方は読まないほうがいいかと思います。 また、本編冒頭は前作と同時間軸の部分なので一部表現が同じ部分があります。ご了承下さい。 -本編- そのゆっくりの意識は暗いまどろみの中で何かを待っているかのように眠っている。 「ゆっくりしていってね!」 眠っていた意識が反応する。 「・・・ゆ、っゆっ、ゆっくりしていってね!」 そう言いながらそのゆっくりは目を覚ました。周囲では同じようにゆっくり達が目覚める。 「ゆっくり!」 「ゆっくりしていってね!」 周囲を見渡すと自分と同じゆっくりと自分とは違う形状の赤いリボンをしたゆっくりが複数いる。 ゆっくり達はここが何処だかわからずキョロキョロと周りを見回している。 その時、離れたところにある扉が開き一人の男が入ってきた。 「ゆっ!おじさんだれ?」 「ここはどこなの?」 ゆっくりが達が尋ねると男が説明をしてくれた。 ここがゆっくり達の繁殖施設であること。自分はゆっくり魔理沙で赤いリボンのゆっくりがゆっくり霊夢という こと。自分はたった今生まれたばかりであること。そして最後におじさんはこう言った、 「ここで安心してゆっくりすればいいよ。」 優しそうなおじさんの説明を聞いて自分を含め周囲のゆっくり達は素直に受け止め喜んでいた。 そしておじさんはお菓子をくれ、ゆっくり達はおなかいっぱいに食べ、ゆっくりと夢の中へ旅立っていった。 次の日、また男が部屋に入ってきた。ゆっくり達は歓迎する。するとおじさんがこう言った。 「今日はこの部屋にいる君達の半分を別の部屋へ移動させるよ。これだけの数がいると狭くて住み辛いだろうから ね。」 ゆっくり達は素直におじさんの言うとおりにすることにした。 そしてそのゆっくり魔理沙はおじさんについて行き、生まれた部屋を後にした。 部屋を出るとおじさんが、 「生まれた次の日に引越しなんてさせてしまってすまないね、お詫びと言ってはなんだがゆっくり専用のプレイル ームで遊んでみないかい?プレイルームって言うのは遊び場のことだよ。」 それを聞くとゆっくり達は、 「ゆっくり遊びたい!」 「おじさんやっさしい!」 「遊びたい!」 ゆっくり達はおじさんの提案を歓迎し、まだ生まれたばかりの小さな体を使いめいいっぱい跳びはねて喜んでいる。 そしておじさんはプレイルームのドアの前まで案内してくれた。その扉は先ほどの部屋のものとは違いゆっり達専 用なのか小さかった。 「さぁ、ここだ。ゆっくり楽しむんだよ。」 そう言っておじさんは扉を開けた。 ゆっくり達の目の前には、広い部屋が広がっていた。 ゆっくり達は無邪気に飛び跳ねて中へ入っていく。扉を閉める際男は、 「しばらくすると別の部屋につながる扉が開くから中でゆっくりしていればいいよ」 「おじさんありがとう!」 「ゆっくりするよ!」 ゆっくり達は目をキラキラさせおじさんにお礼を言った。そして扉が閉められ鍵がかけられた。 プレイルームでゆっくり達は跳びはねたり、集団を作ってゆっくりしている。 しばらくすると上から液体のようなものが落ちてきた。そしてどこからかおじさんの声が聞こえる。 「やぁゆっくり達聞こえるかい?その部屋は適度な雨を降らせる部屋なんだ。その液体は安全なものだから安心す ればいいよ。」 ゆっくり達は初めて見る雨に興味があるようで、陽気に飛び跳ねて楽しんでいる。 「きもちいい!」 「ゆっくり!」 しばらくすると雨がやみ、入ってきたときと反対の方にある扉が開いた。 「さぁ、次のプレイルームに進むといいよ」 おじさんの声を聞くとゆっくり達はわくわくしながら次の部屋に進んだ。 ゆっくり達の体は入ってきた時よりきれいになっていた。だがそのことに気が付くゆっくりは一匹もいなかった。 次の部屋にすべてのゆっくりが入ると扉が閉まり鍵がかかった。 しばらくするとゆっくり達の体が宙に浮いた。 「ゆっくり!?」 「おっと、説明する前にスイッチを入れてすまないね。その部屋は床から風が吹き出して体が宙に浮くようになっ ているんだよ。危険なことはないから安心してゆっくりすればいいよ」 はじめはびっくりして戸惑っていたゆっくり達だったが、今まで跳びはねることしかできなかった体が宙に浮き、 とても楽しそうにしている。 「ゆっくーり」 「ゆ~ゆ~ゆ~♪」 しばらくすると風が止み、ゆっくり達はゆっくりと床に着地し、次の部屋への扉が開いた。 「もっとゆっくり浮かびたかった!」 「ゆっくりしたかった」 何匹かのゆっくり達は不満を漏らしたが、おじさんになだめられ次の部屋へ進んでいった。 先ほどの部屋でぬれたゆっくり達の体はすっかりかわいていた。 次の部屋へ進むとそこは一面の白い世界であった。ゆっくり達は初めて見るものを不思議そうな顔をしてい眺め ている。そしてまたおじさんの声が聞こえてくる。 「その白いものは雪と呼ばれるものだよ、その上で遊ぶととても気持ちがいいよ」 おじさんの言葉を聞くとゆっくり魔理沙が恐る恐るその白い世界へ入っていった。そして、 「サラサラしてとっても気持ちいいよ!みんなも来て一緒にゆっくりしようよ!」 それを聞くとた躊躇っていたゆっくり達は一斉に飛び込んでいった。 白い粉が一斉に宙を舞い、ゆっくり達を包み込んだ。ゆっくり達はそんなことは気にもせずに飛び跳ねて遊んで いる。しばらくするとゆっくり達は真っ白になっていた。そう、これは雪ではない。しかしゆっくり達は本物の 雪を知らないため、真っ白になっても何の疑問も持っていなかった。 「ゆっくり霊夢真っ白、真っ白w」 「ゆっくり魔理沙も真っ白w」 そして次の部屋の扉が開き真っ白になったゆっくり達は次の部屋へ進んでいく。 次の部屋にはいくつかのくぼみがあり、黄色い液体で満たされていた。またおじさんの声が聞こえる。 「この部屋は泥遊びの部屋だよ。部屋にあるいくつかのくぼみに泥が入ってるから泥まみれになるのもよし、飛ば しあうのもよし、好きに遊ぶといいよ」 そう聞くと好奇心旺盛なゆっくり魔理沙が先陣を切って泥だまりへとダイブした。衝撃で泥が飛び散り様子を伺 ていたゆっくり達に飛び散った。 「ゆっくり霊夢にあたったあたった!」 「ゆーーーー、ゆっくり魔理沙!」 泥のかかったゆっくり霊夢は負けじと泥だまりへダイブし、ゆっくり魔理沙に泥を飛ばす。これを見ていたほか のゆっくり達は続々と泥へダイブしていく。そして楽しそうに泥遊びをした。 しかし、先ほど体についた白い粉に黄色い液体がまとわりつき、次第にゆっくり達のうごきは遅くなっていった。 「うぅぅ、体が重いよ」 「動きにくいよ」 ゆっくり達は苦痛をもらす。その時次の扉が開きおじさんの声が聞こえた。 「次の部屋で体にまとわり付いたものが落とせるよ、さぁ行った行った。」 それを聞いたゆっくり達はこぞって次の部屋へ進んでいった。 ゆっくり達は次の部屋へ行くため重たい体で飛び跳ねながら通路を進んでいる。すると突然電気が消えた。 「なに?」 「どうしたの?」 ゆっくり達がわけがわからずその場で立ち尽くしていると、暗闇の中でなにやら音がした。そして体が急に転が りだす。今まであった床が傾き、坂となりゆっくり達は続々と暗闇の中へ転がっていく。 「ゆっくり止まってね!」 転がるのは止まったが部屋は真っ暗のままだった。ゆっくり達は困惑している。その時おじさんの声が聞こえた。 「さぁ最後の仕上げだよ」 そして電気がついた。 ゆっくり達は驚愕した。ゆっくり達は底が円形の吊るされた檻に入っている。そして下には熱気を発する薄茶色 の液で満たされた大きな入れ物があった。周囲には足場はなく、例え檻から出られたとしても逃げ道はなかった。 「今からゆっくり達が入っている檻の底を端からゆっくりと無くしていくからね。最後に残ったゆっくりは助けて あげてもいいよ」 ゆっくり霊夢はあまりの出来事に呆然としている。その時、 「ゆっくり落ちてね!」 あの好奇心旺盛だったゆっくり魔理沙がゆっくり霊夢に体当たりしたのである。ゆっくり霊夢はなくなった床か ら高温の液体の中へ落ちていった。そして悲鳴が聞こえてくる。 「あづいよぉぉぉぉぉ、だずげで!おでがいじばずぅぅぅぅぅ。」 そして次第に声は小さくなり聞こえなくなった。小さな檻の中で生き残りをかけた戦いが始まった。 初めは十分にあった床はどんどん狭くなり、そしてゆっくり達はどんどん落ちていく。時間がたつにつれて悲鳴 の量は増えていく。 「だづげでおねがい!」 「ゆっぐりできないよ!ゆっぐりでぎないよ!」 「おじさん!やざじいおじさん!お願い!」 ゆっくり達の哀願は届くことはなく次々と力尽きていく。 檻の中のゆっくり霊夢達はすべて落ちてしまった。ゆっくり種というのは頭はさほど良くないのだが、ゆっくり 魔理沙は悪知恵が働くらしく、さまざまな手を使い、たくみにゆっくり霊夢を下に落としていった。 「霊夢うぅぅぅぅ、もっとゆっくりしようよぉぉぉ」 ゆっくり魔理沙は涙を浮かべ霊夢に話しかける、 「魔理沙ぁぁぁ、私もゆっくりぢたいよぉぉぉ」 つられてゆっくり霊夢も涙を流す。そしてゆっくり霊夢が油断した瞬間! 「ゆっくり死んでね!」 ゆっくり霊夢へ体当たりをして穴から下へ落とすのであった。 普段は仲良くしているが、追い詰められると本来の性格が現れるようだ。 このように姑息な手段を用いて檻の中はゆっくり魔理沙だけになった。 そして床はどんどんとなくなっていく。ゆっくり達は気が付く。端から床が無くなるのだから中心にいれば助か ると。こうして檻の中心の取り合いが始まる。 「さっさとどいてね!」 「ゆっくりさせないよ!」 中心を陣取るために体当たりするゆっくり達 「もっとゆっくりさせてね!」 「ゆっく!ゆっく!ゆっくりさせてね!」 中心を死守しようとするゆっくり達 戦いに敗れたゆっくりは絶望の表情に涙を浮かべて下へ落ちてゆき、悲鳴を上げる。 そしてその檻の中は1匹のゆっくり魔理沙だけになった。下からは助けを請うゆっくりの悲鳴が聞こえてくる。 男の声が聞こえる 「どうやら1匹になったようだね。約束通り助けてあげよう。」 床が元に戻り檻の出口が開く。そして開いた檻の先に見える出口らしき場所から床が伸びてくる。 ゆっくり魔理沙は安堵する。 「やっと・・・ゆっくりできる・・・」 しかし伸びてきた床は檻の入り口まで届いていなかった。 「少し距離が足りないようだがそれくらいなら跳べるね、ジャンプして跳び移ってくれるかい?」 ゆっくり魔理沙は見た。檻の出口と床の間は約ゆっくり1匹分。簡単に飛べる距離であった。 ゆっくり魔理沙は最後の力を振り絞って飛んだ!目の前に床が見えた。これでやっとゆっくりできる。そう思っ た瞬間! ガコン 「ゆ!?」 何かに当たったゆっくり魔理沙は表現ができない表情を浮かべ涙を流し落ちていった。そして悲鳴を上げる。 「ゆっぐりぢだがっだよぉぉぉぉぉぉ」 周囲には自分が落としたゆっくり霊夢や魔理沙がプカプカと浮いていた。既に意識はない。それを見てゆっくり 魔理沙はさらに絶望するのであった。 「おじざん、やぐぞくどおりだずげでよぉぉぉ」 ゆっくり魔理沙が悲鳴を上げる、すると男は話し出す。 「残念だったね透明な板が設置してあってどうあがいても飛び越えられないんだよ。まぁいつものことだ、君を助 ける気なんて毛頭なかったんだよ。ゆっくり達を一気に落とすと油の温度が急激に下がってうまく揚げあがらない んでね、だから最後に残ったゆっくりを助けると言ったんだよ。そうすれば争い合ってゆっくりと落ちていくから ね。」 男は説明するがゆっくり魔理沙の意識は既に無くなっていた。 ゆっくり加工場に隣接する饅頭屋には長蛇の列ができている。 「いらっしゃい!いらっしゃい!今日は週に一度のゆっくり揚げ饅頭の販売日だよ!」 幻想郷の住民の間では今ゆっくり揚げ饅頭は一大ブームとなっている。 その列を見た金髪の女性は並んでいる住民にこの列はいったい何なのか尋ねた。 「おやまぁ、お嬢さん。ゆっくり揚げ饅頭を知らないのかい?」 「ゆっくり揚げ饅頭?」 「そうさ、そこの饅頭屋で売ってるんだ。見た目は少々アレだが味は抜群だよ。」 金髪の女性は試しに買ってみることにした。 一時間並びようやく買うことができた。 「ふぅ、やっと買えたわ。これでまずかったらあの饅頭屋ただじゃおかないわ」 一口ほおばる、 「こ、これは!」 おいしい、確かに並んで買うだけのことはあるとその女性は思った。 「あら?」 その饅頭をよく見ると、どこかで見たことがある顔がうっすらと見える。 そう、この恐怖におびえる顔はまさしく家で透明な箱に閉じ込めてあるゆっくり魔理沙であった。 「もし?この揚げ饅頭はあの饅頭屋で作っているんですか?」 自分と同じように揚げ饅頭を買った人間に聞いた。 「いんや、なんでもあの饅頭屋に隣接する工場で作っているらしいよ。まぁ作り方までは知らないがね。」 「どうもありがとうございます。」 家路に付く途中、その女性は独り言をつぶやいた。 「うふふふふ、いいこと聞いたわ」 金髪の女性は不敵な笑みを浮かべ森の中へ消えていった。 End 作成者:ロウ 後書き 最後まで読んでいただきありがとうございます。 前作の“ゆっくり霊夢の生涯”で生き別れたプチゆっくりたちの結末を書かせていただきました。 もう気が付いている方もいらっしゃるかもしれませんが、今回のSSは宮沢賢治の注文の多い料理店をモチーフに 作成いたしました。まぁモチーフと違い料理されて食べられてしまうんですけどね^^;。 東方のキャラが0人というのは寂しかったので、勝手ながらアリスがゆっくり加工場の存在を知った時という設定 を入れさせていただきました。 作成するに当たり、改めて加工場を書いた方がいかに神がかっているかを痛感いたしました。 とりあえず頭の中に浮かんだネタは一通り出し切りました。 アイデアさえ浮かべば次回作を書きたいと思います。と言いながらも文章を推敲している間に紅魔館を舞台にした ゆっくりいぢめがなんとなく頭の中に浮かんできてしまいました。(もう病気ですねw) 私のような初心者が書いたSSでも読みたい!という人が一人でもいるならゆっくりですが書きたいと思います。 個人的には漫画を描きたいのですが、幼少の頃から画力が絶望的なのであきらめています;; 念のためゆっくり達が入った部屋の説明をしておきますね。 洗浄 → 乾燥 → 小麦粉まぶし → とき卵づけ → 揚げ ちなみにSSの通りに揚げ饅頭を作ってもおいしく出来上がるかは一切責任を持ちませんのであしからず。
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/219.html
ある男が居た。 まじめで、明るく皆から頼りにされる男だった。 そんな男は、洪水で氾濫しそうな川に土嚢を敷いている最中に川に流されて死んだ。 危険な箇所、誰も行きたくない箇所の作業での事故。 まさに、その男の生き様を象徴するような事故だった。 ……その男が残したレポートがある。 数冊にまとめられたそのレポートは、幻想郷に住まうある物体の観察を記したものだった。 その物体の種族名はゆっくり。 幻想郷で家・畑問わず荒らしまわっている害蟲である。 そのゆっくりについて書かれたレポートの、最初の観察を読んでみることにする。 今日から、ゆっくりについての観察したデータをまとめる事にする。。 記録などした事がないので、日記のようにまとめていこうと思う。 その日は長かった残暑もひと段落し、逆に暖房が欲しいほど冷えた10月の初め。 今日は近くの森からゆっくり霊夢の一家を家に連れてきた。 聞けば、何日か前に散歩から帰ると、魔理沙種に家を取られておりその日から何も食べていないらしい。 なるほど、近くの洞穴を見るとゆっくり魔理沙一家が元気よく過ごしていた。 これまた、ほのぼのする様な一家の光景だ。 「おじさんの家でゆっくりしないかい?」 籠から大きな肉まんを差し出しながら一家に提案した。 これだけで良い。 肉まんの足の先から羽に至るまで数分で食べつくしたゆっくり霊夢一家は、先程とは打って変わって、ワイワイと自分の後ろをついて来た。 「ゆっくりできるね!」 「おいしいものもたくさんたべれるね」 賑やかに後ろをついてくるゆっくり一家。 少ないが、食べ物を口に入れたことで少しは元気が出たのだろう。 「ここがおじさんの家だよ」 「ゆ! おおきいね!」 「おじさんのおうち、とってもおおきいね!」 ご機嫌を取ろうと、口々にお世辞の言葉を話すゆっくり達。 さすがに家のものを壊されちゃかなわないので、早々に庭の離れへと連れて行く。 離れは、和風建築の家には珍しく入り口は引き戸になっている。 その中は和風そのもの、違う点といえば珍しい石油ストーブが置いてあることだ。 珍しいものを見たからだろう、興味津々でその周りに集まるゆっくり一家。 「ゆゆっ! あったかい! おじさんこれあったかいよ」 「なつみたいだね!」 「それはストーブって言って、部屋を暖かくするものだよ。あんまり近づくと火傷するから気を付けてね」 放っておいて、そのままダイブしたら危ないので注意する。 直ぐに全員に伝わったらしく、はぁーいの大合唱が返ってきた。 「寒かっただろ、暫くここで過ごせばいいよ。外に出たかったら言ってくれれば何時でも出してあげるから」 「おじさんありがとう! ゆっくりするよ」 信用されたのか、あちらこちらに散らばっていたゆっくり達も、ゆっくりするよと声をかけてきた。 一家で散歩するなら、自分の畑に連れて行って取れたての野菜を食べさせるのも良いかもしれない。 きちんと、言って聞かせれば大丈夫だろう。 しかし翌日も、その翌日もゆっくり達は部屋から出てこなかった。 食事はきちんと与えているので、共食いの心配はない。 寧ろ最近は、食事の量を増やせといってきた。 快く応じる、どうせ野菜は一杯あるのだ。 ストーブも石油が切れないように心がける。 「おじさん! はやくいれてきてね!! ゆっくりできないよ!!」 「ゆっくりできないよ!」 お母さんゆっくりが偉そうに急かしてくるので急いで石油を入れる。 子供達が温まれないのを嘆いているのだ、無理に怒っても仕方が無い。 「ごめんね、遅れて。今火をつけるからね」 「おそいよ! もっとゆっくりはやくしてね!!!」 母親が強気に出ているのに気付いたのか、子供達も自分にタックルしてきた。 取り合えず、その場は謝って部屋を後にする。 一ヶ月と時間が過ぎて、綺麗な紅葉も地面に還ろうとしていた。 勿論、ずっと部屋に居るゆっくり達には、残念ながらその変化は感じられなかったようだ。 一緒に散歩に行こうと誘っても、ここでゆっくりしてるよと言って一緒にきてくれない。 母親に居たっては、途中で美味しいもの見つけてきてね、と言う始末だ。 しかし、初めに家でゆっくりしていいよ、と言ったのは自分なので悪くいう事は出来ないが、全く遠慮と言う言葉を知らないようだ。 それから更に一ヶ月あまり過ぎ、相変わらずゆっくり一家は離れに居座り続けた。 おそらく、ゆっくり達にとっては至宝の時間だったのだろうが、こちらもこの時期は色々と忙しい。 さすがに十数匹のゆっくりの面倒は見ることが出来ない。 残念だが巣に帰ってもらう事にするほか無いようだ。 「おじさんなにいってるの? ゆっくりたちのおうちはここだよ! はやくたべものもってきてね♪」 分かっていたことだが、ゆっくりの頭の中ではここが自分達の巣になっているらしい。 随分おめでたい頭をしてので、お母さんゆっくりにもう一度『お話を聞いて』貰ったら、今度は直ぐに嘘を認めた。 「ごめんなざい! ゆぐっりたべれだがらごごにいまじだ!」 誠心誠意謝ってくれた、あのゆっくりが自らの過ちを認めてくれたことは嬉しかった。 やはり話し合いと言うのは大事である、これはゆっくりにも共通しているようだ。 逆にこちらが恐縮してしまったので、離れる前に最後の食事として沢山のわたあめを持たせてあげた。 大きな袋に入れたので持てるかどうか不安だったが、子ゆっくりも全員きちんと口で挟んで運べるようで一安心。 「おじさん! こんなにありがとう!」 「おうちにかえってゆっくりたべるね!」 「さよなら!!」 「おじさんゆっくりしてね!!」 思い思いの言葉を話して別れを惜しむゆっくり達、全員が扉の前に集まったのを確認して扉を開けた。 ゆっくり出来たといっても狭い部屋だ、普段から広い外の世界を走り回っていたゆっくりは窮屈だったのだろう。 扉を開けたとたん勢いよく飛び出すゆっくり一家。 「ゆ! さむいよ」 「さむいよ! さっきまであったかかったのに!!」 「おじさん! へんだよ、きゅうにさむくなったよ!」 別に変な事は何もないんだけどなぁ。 「だって今は冬じゃぁないか。君達がこの部屋に住みだしたのは秋の初め頃だろ? 寒いだろうと思って今までストーブをつけていたのを忘れたのかい?」 ……どうやらそこまで馬鹿じゃないらしい。 俺が言ってから、少し時間がかかったが全員が理解したらしい。 おやおや、雪遊びでもしたいのかな? みんな元気よくガタガタとはしゃぎ回っている。 既に幻想郷は一面中銀世界だ、これだけ雪があればさぞかし楽しいだろう。 「それじゃあ、さよなら。気を付けて帰るんだよ」 楽しそうにしているゆっくり達家族の団欒に、踏み込むなんて無粋な真似はしないさ。 玄関の外まで案内したら、そう一声かけて門を閉じた。 ちょうどチラチラと雪も降り始めた、少し硬そうな雪なのであまり積もらないだろう。 目を閉じると、今までゆっくり達を過ごしていた日々が蘇った。 同時に何故一家を家に置いていたのかも思い出した。 参った、最近は忙しかったからすっかり失念していた。 イケナイ、イケナイ、善は急げだ。 幸い玄関先を確認すると一家はまだ近くにいたので、邪魔をしないように裏口から巣へ向かった。 ゆっくり一家の巣へまでは、これまで何度か足を運んでいるので簡単にたどり着いた。 さすがに冷えるのだろう、ゆっくり霊夢の巣の入り口には、以前来た時にはなかった大量の松葉と石で見事に塞がれていた。 時間が惜しいので乱暴に蹴り崩す、早くしないとゆっくり霊夢達が戻ってきてしまうかもしれない。 散らばったそれらを退かすと、中にはゆっくり団欒していた魔理沙一家。 皆一様に自分に視線を送っていた。 「おじさん、またきたの! ここはまりさたちのおうちなの! あとかられいむたちがうばおうとしたからおいかえしたの!!!」 またまた、お母さん魔理沙が突っかかってきた。 数匹の子魔理沙は随分と大人しいのだが、何時もこれが頑固に自分の家だと主張するので言い争いになっていた。 「もうすぐ霊夢たちが帰ってくるんだけど? やっぱりここを出て行かないのかい?」 「おじさんしつこいよ! ここh!」 時間が惜しい、やっぱり返事はいらないよ。 言葉の代わりに、お母さん魔理沙を外に引きずり出した。 「ゆゆ! おじさんなにするのゆっくりできないなら、すぐにゆっくりいりぐちをなおしてかえってね!!!」 「お菓子をくれようと思ったんだけど……」 「ゆっ! おかし! たべるたべる!! おじさんはやくちょうだい!!」 「わかったよ。おーい、君達にもあげるよ!」 「おじさん!! はやくちょうだい!!」 子供達を呼んでいる間中、お母さんゆっくりはずっとそんな事を言っている。 「わかったよ、口を大きく開けてね」 余りにも煩いので、先にお菓子をあげる事にした。 「!!!???」 涎を流しながら大きく開けている口へ勢いよく押し込める。 とても美味しかったのか、楽しく跳ね回っている親は放っておいて、子供達にもキンキンに冷えたアイスキャンディーを数本、口に押し込んだ。 やはり、親と同様に元気一杯跳ね回る。 ほのぼのとした雰囲気だったが、時間が迫っているのを思い出し、約束通り一家には他所へ移ってもらう事にする。 霊夢達に返してもらうよ、と一声かけて次々と裏側の崖へ落としていく。 この深い谷の下なら、洞窟も沢山あるし雪が入り口を塞いでくれるから、中はとっても暖かくなっているだろう。 別に子ゆっくりはここに残しても大丈夫そうだったが、以前よんだSF超大作にこんな台詞があった。 「間違った指導者を選んだ者の末路だ」 そういうことなので一家全員で、新しい家を探してもらうことにした。 食べ物も与えたし、巣を探しているくらいの間は大丈夫だろう。 あぁ、そういえば霊夢達もストーブの効いた部屋で美味しそうに食べていたなぁ。 ゆっくり達にとっては、冬場の方がアイスを美味しく感じるのだろうか? 夏場にあげた事はないからなんとも言えないが。 等と考えている間に、辺りは薄暗くなってきた。 それにしたがって辺りから物音が消えていく、無音の中で深々と雪が降っているだけだ。 急いで散らかしてしまった石や松葉をかき集める、これは霊夢たちが使っていたのかもしれないから。 しかし、中の食べ物は魔理沙達のものだろう。 さすがのゆっくりと言えども、家をのっとったモノの食べ物は食べたくないだろう。 仕方がないので、全て俺が持って帰ってあげることにした。 ヤギの餌くらいにはなるから。 黙々と袋に詰めていると、日は更に傾いていた。 同時に訪れる、普通の黄昏時とは違う恐怖心。 これ以上ここにいるとこちらの身も危ない、なによりゆっくり達とかち合ったら折角の親子水入らずの邪魔をしてしまう。 手早く荷物をまとめて家路を急いだ。 門の前に着くと、既にそこにはゆっくりの姿はなかった。 巣に戻ったのだろう。 空き巣を心配して裏口を確認するが異常は無いようだ、きちんと鍵をかけていたので当たり前と言えば当たり前なのだが。 その後、食事をして風呂に入り、この記録を書いている。 この二ヶ月間、ゆっくり達を観察して分かった事は以上の通りだ。 明日からは、町外れの木の室に住んでいるゆっくりパチェリーについて観察してみようと思う。 仲良しの霊夢種と魔理沙種と共に越冬しているかもしれないが、それはそれで貴重な記録が取れるかもしれない。 三匹くらいなら十分に面倒を見ることも出来る。 なにより、一人には広すぎる我が家が賑わうのは喜ばしいことだ。 あまり役には立ちそうもないが、ゆっくりを愛する人がこの記録を読んでくれることを切に願う。 想幻210年12月31日 パタン。 今読んでいた本を一旦閉じで目線を上げる。 その先には、紅茶とお菓子をお盆に載せた赤髪が綺麗な司書。 「小悪魔ご苦労様。取り合えず休憩にするから、紅茶をもう一つ持ってきてくれる?」 「??」 対する司書―小悪魔はキョトンとしている。 もうボケたのか? また唐辛子が入ってると思っているのか? いやいや、今日は入れていない 二個いっぺんに飲み干す魔法でもあるのだろうか?。 「あなたも一緒に飲みましょう?」 合点がいった、要するに一緒に飲んだくれよう、と言うわけだ。 「今度は何を読んでいるんですか?」 自分用の特上の紅茶を入れて戻ってきた小悪魔が尋ねる。 パチュリーが自身で手に入れてきた本なので、まだ内容は知らないのだ。 「ゆっくりを可愛がっていた男が残した飼育データよ」 紅茶の違いに気付き、手を伸ばしながら答えるパチェリー。 「そんな本だったんですか? それを持ってくるの苦労したんですよ。パチュリー様と違って、力のない私は水の流れを変えるのだって大変なんですから」 それよりも早くカップを口に運びながら答える小悪魔。 「濡れるのはあなた一人で十分よ。それにこれ面白いのよ、あなたにも後で読ませてあげるわ」 「はぁ。……おかわりをお持ちしますね」 本気でサマーレッドを撃とうとしている事に気付き、急いで特上の葉で唐辛子入り紅茶を作りにいく小悪魔が答える。 外に出歩かず、ゆっくりを見たことがなかった二人は、アレ以来ゆっくりをいじめる事がブームになっていた。 「本当に興味深いわよ。この資料」 男の願いが叶い、その資料はとてもゆっくりを愛している魔女の大図書館に、大切に保管させるだろう。 おまけ編